シャドーシュリンプは、水草水槽で人気の高いエビの一種です。
ビーシュリンプとはまた違った体色が特徴的で、水草の緑とのコントラストが美しいです。
しかし、シャドーシュリンプの飼育や繁殖には、一定の条件や注意点があります。
この記事では、シャドーシュリンプ(※それ以降に作出されたハイブリッドシュリンプも共通)の飼育・繁殖・設備・混泳について、詳しく解説します。
シャドーシュリンプの特徴
ビーシュリンプと、タイガーシュリンプ(タイガー系改良種)を交雑させたのが始まりで、作出されたエビです。
全長は2~3㎝くらいで、色は黒と赤と、青(白)がいます。
黒はブラックシャドー、赤はレッドシャドー、青はターコイズシャドーといいます。
模様がビーシュリンプと同様に色々ありますが、ビーシュリンプには無い模様もシャドーシュリンプでは産まれますし、バンドタイプはシャドーシュリンプの場合、バンドではなく「パンダ」と呼ばれます。
色味は、レッドシャドーはクリア間が感じられたりもしがちですが、色濃い個体は色味に厚みがあります。
ブラックシャドーは色味が濃く、黒い部分はまるでラバー製かのようなヌラヌラ感があり、白い部分は色濃く、白い部分が青くなる個体もいます。
ターコイズシャドーは、青味の少ない白い個体もいますが、高グレード個体は全身がとても濃い青色をしています。
シャドーシュリンプの飼育条件
シャドーシュリンプは、基本的にビーシュリンプやタイガーシュリンプの飼育条件と同じです。
- 水温:23℃くらいが適温。危険水温として27℃から上は、いつ死んでもおかしくない水温になります。水温が低いぶんには耐えることますが、私が確認した限りでは15℃を下回っても飼育できていました。
- pH:飼育可能なpH値は幅広く(5.5~7.8くらい)、中性前後であれば問題はありません。GHやTDS値も、ビーシュリンプで実績のあるソイルを使用していれば、数値は特にこだわらなくても、ビーシュリンプと同等の環境で大丈夫です。
また、水質の安定性や清潔さも重要です。
定期的な水換えや、ろ過装置(フィルター)のメンテナンスも行いましょう。
水槽内には、隠れる場所となる水草や流木などを多めに入れておくと、エビのストレスを軽減できます。
最適な水質を作るために、各カルキ抜きや毒物除去剤から、目的に合ったものを選びましょう。
最強濾過バクテリアや、最強PSBなども以下のリンクから関連記事をご覧ください。
シャドーシュリンプの繁殖方法
シャドーシュリンプは他のシュリンプと同様、雄と雌が交尾した後、雌が卵を抱えるようになります。
卵は、約1ヶ月弱で孵化し、孵化した稚エビは親と同じ姿をしています。
稚エビは、水草や流木などに付着した微生物やデトリタスを食べて成長します。
稚エビは、親や他のエビに食べられることはありませんが、産まれた当初は2㎜程度と小さいため、魚には捕食される可能性があります。
そのため、魚と混泳する場合は注意が必要です。
シャドーシュリンプの設備
シャドーシュリンプを飼育するために必要な設備は、以下の通りです。
- 水槽:最低でも10ℓ以上の容量がある水槽からで、できれば20ℓ以上はあると、なお良いです。水草や流木などを入れてレイアウトしましょう。
- ヒーター:水温を一定に保つために必要。水温計と併用する。だいたいヒーター類は±1.5℃以上の誤差があると表記されているものなので、熱帯魚用の26℃個体ヒーターはやめましょう。サーモスタットで温度変化させることができるものを使うか、容量が合うならエビ用の温度固定ヒーターや、金魚用の温度固定ヒーターを使用しましょう。
- フィルター:水質を清潔に保つために必要。外掛け式や上部式、外部式、スポンジなどがあります。稚エビが吸い込まれないように、フィルターの吸い込み口には必ずスポンジを装着しましょう。
- ライト:水草の光合成やエビの活動に必要です。タイマー管理してLEDライトの照射時間をコントロールしましょう。
- エアレーション:必ずしも必要ではありませんが、あった方が良いです。エビのためにも濾過バクテリアのためにも、酸素を供給するために必要です。エアポンプからエアストーンにつないだり、スポンジフィルターにつないで使います。
シュリンプの混泳
シャドーシュリンプは、基本的に穏和で他の生き物と仲良くできます。
しかし、魚などには捕食される危険があります。
そのため、混泳する場合は、以下の点に注意しましょう。
- なるべく小さくて穏和な魚を選ぶ。ボララス類やオトシンクルス、ラムズホーンなどのコケ取り貝が最適。
- 水草や流木やレイアウトアイテムで、エビの隠れる場所や逃げる場所を十分に確保する。
- エビと魚の数のバランスを考える。魚の数は少なめが良いです。
- エビと魚のエサを適切に与える。エビの水槽で魚の餌を使っているとヒドラが発生しやすいので、与え過ぎには注意しましょう。
最大の注意点や違い
シャドーシュリンプは、ビーシュリンプとタイガーシュリンプ(タイガー系改良種)を交雑させて作出されたとされています。
ビーシュリンプとタイガーシュリンプは、丈夫で飼育・繁殖が優しいエビです。
シャドーシュリンプも、ビーシュリンプやタイガーシュリンプと同じ飼育環境で飼育・繁殖ができますが、大きな違いがあります。
最大の違いは、ソイルが古くなってきた場合、ビーシュリンプなどはまだまだ変わらず飼育・繁殖できる環境でも、シャドーシュリンプは死に始めます。
色彩がシャドーシュリンプと同じ品種も、体質的にはシャドーシュリンプと同じなので、頭に入れておきましょう。
色彩がビーシュリンプやタイガーシュリンプのような品種であれば、ハイブリッド種でもビーシュリンプやタイガーシュリンプと同様の丈夫さです。
例えば、ビーシュリンプとシャドーシュリンプを交配させると、その子供(F1)は見た目は全てビーシュリンプが産まれますが、シャドーシュリンプの血が入っているのに、見た目のまんま体質はビーシュリンプなので丈夫です。
ファンシー系のハイブリッド品種は、見た目はシャドーシュリンプのような色味ではないので、ファンシー系もシャドーシュリンプと違って丈夫です。
あと、シャドーシュリンプの稚エビは成長が遅いのも特徴ですが、見た目がシャドーシュリンプのような質感の色味の品種だと、やはり成長が遅いので、見た目がシャドー系だと体質も同じなんです。
シャドーや、シャドーのような質感の色味を持った品種は体質が弱く、成長も遅いというのが特徴です。
シャドーの後に作られた、見た目がシャドー系の品種は、丈夫だよと言われていましたが、飼育してみるとやはりシャドーと同じ体質で、ビーシュリンプなどと比べると全然丈夫ではありませんでした。
例えば、シャドーシュリンプと、ヘテロ個体(ビーシュリンプ×シャドーシュリンプのF1、見た目はビーシュリンプ)を一緒に飼い続けてソイルが古くなってくると、シャドーだけが死んでいなくなります。
そのくらい違うのです。
なので、シャドーや、見た目がシャドーと同じ色味の品種を飼うときは、ソイルを早めに交換した方が良いです。
1年くらいで交換か、場合によってはもっと早く交換が必要になるかもしれないですね。
ハイブリッドシュリンプあれこれ
ブラックシャドーシュリンプ、ターコイズシャドーシュリンプ、レッドシャドーシュリンプ
ファンシーシュリンプ
その他、ハイブリッドシュリンプ
まとめ
シャドーシュリンプは、水草水槽で魅力的なアクセントとなるエビです。
いえ、アクセントどころか主役になるくらいの魅力があります。
飼育や繁殖には少しコツが必要ですが、その分、エビの成長や繁殖を楽しむことができます。
ぜひ、シャドーシュリンプの飼育に挑戦してみてください。
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