コリドラスは、可愛らしい外見と穏やかな性格で、初心者からベテランまで幅広いアクアリストに愛される魚です。
本記事では、コリドラスの飼育方法、繁殖、混泳のコツ、そして一般的な病気とその対策について解説します。
コリドラスの飼育方法
1. 水槽の設定
コリドラスは底生魚で、柔らかい砂底が適しています。
鋭利な砂利は避け、30リットル以上の水槽が望ましいです。
水質管理は定期的に行い、水温22〜26℃、pHは6.0〜7.5を保ちます。
底床が柔らかいことで、コリドラスが体を傷つけるリスクを防げます。
2. 餌の種類
コリドラスは雑食性で、沈下性のタブレットや生餌(ブラインシュリンプや赤虫)を好みます。
実際には、ドライフードの場合、粒状の餌の方がコリドラスの口に入りやすく、食べやすいです。
複数種類の餌をバランスよく与え、健康を維持しましょう。
コリドラスの繁殖方法
1. 繁殖の環境作り
コリドラスは水温を少し下げ(20〜22℃)、換水を頻繁に行うことで繁殖期に入ります。
これは、自然界の雨季を模倣した環境づくりにあたります。
本水槽や混泳水槽で産卵した場合は、卵が食べられないうちに孵化兼稚魚育成水槽に卵を移動させます。
初めから稚魚も育成できるようなシンプルな環境で産卵させた場合は、親魚や他魚を移動させて、そのままの水槽で孵化や稚魚の育成もできます。
2. 卵のケア
孵化兼稚魚育成水槽は最低でも30㎝水槽を使用し、フィルターはスポンジフィルターのみにしましょう。
卵は粘着性であり、コリドラスが気に入った場所に産み落とすのですが、本水槽の水槽内のガラスや植物に付着します。
食べられないうちになるべく早くこの卵を発見したら、1個ずつ指にくっつけて採集し、孵化水槽の側面にくっつけて移動させます。
わざわざ孵化水槽の側面に卵をくっつけるのは、底面に卵をくっつけた場合、ゴミは底面にたまるので卵もカビやすくなるためです。
卵の移動後は、マラカイトグリーン水溶液系魚病薬やメチレンブルー系魚病薬、二酸化塩素系魚病薬などを入れて、人工孵化の際に卵がカビるのを防ぎましょう。
薬を入れる量は、メチレンブルー系であれば水が薄っすら色づく程度の量に加減すると良いです。
水温で前後しますが、約3〜5日で孵化し、その後ヨークサック(栄養袋)が無くなるので、それからは稚魚には生きたブラインシュリンプベビーを与えると良いです。
コリドラスの混泳
1. 混泳に適した魚種
コリドラスは穏やかな性格のため、小型魚(ネオンテトラ、ラスボラ、グッピーなど)との混泳が適しています。
群れで飼育するのが推奨され、6匹以上のグループで飼うとストレスが軽減されます。
2. 混泳での注意点
大型の底生魚(プレコなど)やアグレッシブな魚種との混泳は避けるべきです。
とは言うものの、混泳に絶対はありません。
当店では当たり前のようにプレコと混泳させます。
コリドラスのヒレを突っつくことがあるのが、ラミレジィなどのドワーフシクリッドですが、場合によってはネオンテトラやグッピー、プラティなども執拗にコリドラスを突っつきまわすケースもあります。
コリドラスが他魚から攻撃を受ける場合は、軽度な物から言うと、背ビレや尾ビレの先端を齧られることがあります。
ディスカスとの混泳も可能ですが、最初から大きなディスカスがいる水槽へ、あとからコリドラスを混泳させた場合、ディスカスから注目を浴びて追いかけられて突っつかれるケースもあります。
この場合、最悪コリドラスが目を食べられて死んでしまうこともありますが、この注目を浴びるのは長くは続かないので、この少しの期間をやり過ごせれば、その後は問題なく混泳できます。
コリドラスは高水温は苦手なので、30℃からは注意水温と覚えておくといいです。
コリドラスの病気と対策
最初に大事な注意点ですが、ナマズの仲間はコリドラスも漏れなく魚病薬に弱いので、規定量の3分の1~半分までとしてください。
病気治療に関しては、下記リンクを参考にしてください。
1. 白点病
白点病は、コリドラスによく見られる病気です。
水温を28℃以上にして、薬浴で治療します。
コリドラスの場合は、上げても29℃までとしておくのが無難です。
2. カラムナリス病
カラムナリス病は、症状が出る箇所によって呼び名があったりもしますが、ヒレが溶けるように見えるとヒレ腐れ病といったり、口が溶けるように見えると口腐れ病といったりします。
コリドラスはナマズの仲間ということもあり、ヒゲがありますが、このヒゲがカラムナリス病で溶けることもあります。
適さない底砂のせいでコリドラスのヒゲが短くなったり無くなることもありますが、その他の症状も見て、病気との見分けをつけましょう。
カラムナリス病に関しては、pHを下げることが第一に効果的ですが、魚種によって危険pH値に違いがあります。
コリドラスの場合はあまり低pHにはしない方が安全なので、低く設定するとしてもpH5.5~6.0の間くらいにしておくのが無難です。
これにプラスして細菌性魚病薬を使うと効果的です。
3. 寄生虫感染
食欲不振や体重減少が見られる場合、内臓寄生虫が疑われます。
導入前の検疫が重要です。
治療には寄生虫用の魚病薬を使用します。
まとめ
コリドラスは初心者にも扱いやすく、穏やかな性格と美しい外見、多くの種類がいるのが魅力の魚で、コリドラスマニアも多くいます。
その他のコリドラスの特徴としては、胸ビレには毒がありますが、人間の指に刺さった程度では大丈夫です。
適切な環境と水質を維持し、定期的なケアを行えば、健康に長生きさせることもできます。
繁殖も比較的容易で、混泳にも適しているため、多くの水槽で楽しめる、不動の人気の魚です。
あなたもコリドラスワールドにハマってみてください。
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