熱帯魚の中でも、ドワーフシクリッドの代表種的なものがラミレジィです。
そのラミレジィ(学名:Mikrogeophagus ramirezi)も色々な改良種がいて、コレクション性があるのも人気の理由です。
ドワーフ=小型、ということから誰もが飼育しやすいサイズなのも良いですね。
そして、繁殖も楽しめるのも最大の魅力です。
この記事は、ラミレジィの餌・寿命・大きさ・繁殖・混泳や必要な水槽環境などについてのお話です。
ラミレジィはどんな魚と混泳できる?注意点は?
結論から言えば、ラミレジィが食べられてしまうような大きな魚以外であれば、どんな魚とも混泳できると考えていいですが、シクリッド同士の混泳にはコツがいるので、その場合は難しいケースもあります。
シクリッドの仲間の特徴は子育てをすることと、基本的には気が荒いものですが、ラミレジィに関してはシクリッドの中ではたいした気の荒さではありません。
シクリッドの中ではむしろ優しい方です。
ラミレジィ同士の混泳で問題になる場合というのは、特にラミレジィが大人になってくると起こりやすくなってきます。
複数匹のラミレジィを飼育していて雌雄が水槽に入っている場合、それらが性成熟してくるとペアを組むようになります。
シクリッドに共通しているのですが、ペアができると排他的な行動をとるようになるので、縄張りを主張するような行動を見せ、他のラミレジィを追い払うようなことをするようになります。
縄張りのスペースは自然界では確保できても、水槽内スペースでは全エリアが縄張りとなってしまうケースも多く、このへんは水槽サイズによって違ってきます。
ラミレジィ同士の混泳では、ペアができること以外では問題になる心配は必要なく、オス同士を混泳させるのも問題はありません。
これも魚に共通することですが、過密または超過密飼育をすれば混泳によるパワーバランスは心配ありません。
他魚との混泳は、ネオンテトラのような小型魚から混泳できます。
基本的なことですが、口に入らないサイズ関係であることが前提条件です。
ラミレジィが他魚に被害を与える場合は、他魚のヒレを齧るケースがあります。
その相手として、コリドラスなどは背ビレや尾ビレの上部先端を齧られることがあります。
グッピーもオスなど、ヒレが大きい魚もヒレを齧られることがあります。
ディスカスやエンゼルフィッシュのような、ある程度の大きさのある魚や、普段はゆったりしている魚もヒレをラミレジィに齧られることがありますが、混泳密度または水槽サイズが変われば問題が起こらなかったりもします。
ただし、ディスカスやエンゼルフィッシュなどの水槽に、小さなラミレジィをあとから混泳させる場合は、ラミレジィを水槽に入れた直後は特に先住魚からの注目を浴びて攻撃されやすいので、そういったリスクもあります。
上手くいかない場合は、ラミレジィはディスカスに目を食べられたりすることがあって、最悪死んでしまいますが、最初の数日をやり過ごせれば先住魚もラミレジィに慣れてしまい、その後は問題なく混泳できるようになります。
魚の混泳に絶対は無く、飼育環境や個体の性格など、色々な条件で違ってくるものです。
ラミレジィの餌は?
・冷凍赤虫
・冷凍ディスカスハンバーグ
・その他の冷凍餌
・人工飼料
ラミレジィは病気以外なら、まず拒食に悩まされることは無いので、健康で元気な個体であれば、餌で困る心配はありません。
もし餌食いが良くない場合は、水質に問題はないか・病気になっていないか・環境に問題はないかなど、よくチェックしてみましょう。
水質問題や病気も無い場合は、環境を考えます。
例えば、怯えたり警戒心が強い場合は、環境への慣れの問題であれば時間が解決してくれたりしますが、原因によっては水槽の場所をかえたり、水温を変えてあげたり、照明をタイマー管理して規則正しくしたり、飼育匹数を増やしてあげたりといった工夫が必要なケースもあります。
そして餌ですが、一番のおすすめの餌は冷凍赤虫です。
水分量も多く消化吸収が良いですし、栄養も良いです。
餌というものは、人工的なものより自然に近いものが消化吸収は良いので、冷凍赤虫の他に冷凍ディスカスハンバーグも体作りには良いです。
体作りに良いので、結果的に繁殖への近道にもなります。
他の冷凍餌では、コペポーダやブラインシュリンプベビー、アダルトサイズのブラインシュリンプも良い餌です。
主に海水魚に使われる冷凍ホワイトシュリンプも良いです。
これらに次いでドライフードなどの人工餌です。
しかし、一般のかたであればドライフードの方が手軽でメインになると思います。
手軽だということの他に良い点は、多かれ少なかれドライフードには色揚げ効果があるものがほとんどだということです。
色揚げで言えば、黄色揚げ用や、赤色揚げ用冷凍ディスカスハンバーグも効果的で、体も作れておすすめです。
ドライフードのデメリットは、粉ものであるがゆえ、消化吸収が劣ることと、多く与えるほど水の濁りが気になることです。
番外編では、冷凍保存するモイストフードも体作りにはおすすめです。(※2023年現在は、私が使っていたモイストペレットは廃盤で製造されていません)
冷凍餌に次いで、二番目におすすめの餌ですね。
モイストフードは水分量40%で半生のような餌です。
一見するとドライフードに見える餌なのですが、水分量が多いことから軟らかさがあるため食いが良く、消化吸収も良いため給餌回数も稼ぐこともできることから、魚体を大きくすることができます。
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ラミレジィの寿命や大きさは?
寿命
・2~3年
全長
・5~7cm
ラミレジィの寿命は2~3年ほどですが、購入した段階の年齢や飼育環境・飼育方法によっては寿命を早く迎えることもあります。
成長期は飼育水温を高めにして水換え頻度も多くすれば、新陳代謝を促すことから成長を早くすることができますが、それを成魚になっても続けていると寿命が短くなってしまうので、考えて飼育管理しましょう。
どんな魚もですが、若さのピークを過ぎると病気になりやすくなるので、ラミレジィの場合は生後1年以降は健康や寿命を意識した飼育管理に努めるのが良いです。
具体的には、高頻度な換水を必要としない環境で飼育するのがおすすめです。
同じ高頻度な換水をするとしても、一晩汲み置いた溜め水を使うのであれば大丈夫です。
溜め水にプラスして、高機能なカルキ抜きやアクアセイフのような粘膜保護剤を使ったり、テトラバイタルのようなミネラル添加剤を使うとより良いです。
ラミレジィだからと言って罹りやすい病気はありませんが、病気についてはこのサイトのディスカスの病気の記事を参考にしてください。
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ラミレジィの飼育環境や水槽サイズは?
・水温:28℃前後
・水槽:30~60㎝水槽
シクリッド全般は、水温は28℃前後の高めが適水温だと思ってください。
もちろん20℃前半からの水温でも飼育できます。
水温によるメリット・デメリットがあるので、ただ飼育できれば良いのか、できるだけ長生きさせたいのか、美しく飼育したいのか、繁殖までさせたいのか、など色々なことを踏まえて水温も含めた飼育環境を決めるのが良いです。
pHなどの水質は、飼育に関しては気にする必要はないです。
極端な低pHや高pHでなければ問題ありません。
繁殖時もそれで問題ありませんが、上手くいかない場合はピートモスを使うなどして、弱酸性の軟水を意識してみると良いです。
pH/kh降下剤などを使う場合は短時間で水質が変化してリスクがあるので、デジタルpH測定器を使ってpH値を確認しながら水質調整することをおすすめします。
ちなみにこの記事の写真のラミレジィは全てベアタンク環境下のため、本来の美しい体色が表現されていません。
本来の美し体色を見たい場合はベアタンク飼育ではなく、底砂を敷いた環境で飼育するようにしましょう。
底砂があれば魚は濃い体色を見せてくれます。
水槽サイズは、飼育・繁殖ともに30~60㎝規格水槽(60×36×30)で可能です。
小さい水槽ほど難しくなるので、60㎝規格水槽がおすすめです。
幼魚や若魚からの飼育だけであれば、フィルターの種類は問いません。
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ラミレジィの繁殖は?
・繁殖設定水温:27~28℃
ラミレジィの繁殖水温は28℃位に設定しましょう。
そして、魚の繁殖時はスポンジフィルター管理がお決まりです。
スポンジフィルターは、稚魚や餌の吸い込みの心配がなく、水質管理もしやすいからです。
27~28℃くらいの水温で産卵させれば、受精卵が2~3日程度で孵化し、更に2~3日程度で稚魚が自由遊泳を開始するので、自由遊泳が始まったら生きたブラインシュリンプベビーを少し与えて、稚魚が食べるか確認します。
食べるようなら、必要に応じて少しづつブラインベビーを与える量を増やしていきます。
一般のかたであれば、1日2回程度の給餌でかまいません。
もっと与えれる方は、1日何回でも(5~6回ほど)与えますが、そのかわり1回の給餌量は必要量を超えて与え過ぎないようにするか、そうなって水質悪化で死なせてしまわないよう、必要に応じて溜め水での水換えをします。
溜め水であれば安全な水なため、全換えもできます。
水質悪化しにくいようにするためにも、飼育・繁殖水槽は60㎝規格水槽が良いです。
初めからそれなりの大きさの水槽で産卵させれば、孵化後の稚魚を移動せずともそのまま育成できるのも、おすすめする理由です。
ラミレジィは食卵・食仔しやすい魚です。
なかなか産まないとか、産んでも食卵・食仔してしまう場合、それでも親に育てさせる自然繁殖をしたい場合は、あえて水換えしない期間をもうけたり、逆に水換え頻度や量を挙げてみたりとラミレジィに乾期雨期を感じさせたり、ピートモスやブラックウォーターを試してみます。
様子を観察して必要であれば、オス親を取り出すなど、片方の親を離してみたりもします。
ただ、そうやって何回も失敗していると、いずれメスも産卵しなくなって、次の産卵チャンスまで間があくことがあります。
その時に、狭い水槽だとオスのプレッシャーを受け続けてメスが死んでしまうケースもラミレジィは多いので、その時に逃げるスペースがあるというメリットもあって大きめの水槽が良いのです。
チャンスがあるうちに繁殖を成功させたい場合は、人工孵化でとる方法もあります。
人工孵化の際のコツとしては、孵化するまでの間、卵をカビさせたりして死なせないことです。
エアレーションを使ったり魚病薬を使ったりして、卵が死ぬのを防ぎましょう。
ちなみに、稚魚に与える餌は人工飼料でも生き残る個体はいますが、あまり生存率や成長も良くないので、ちゃんとやるかたは生きたブラインシュリンプベビー一択です。
ブラインシュリンプの孵化に失敗することもあるので、そうなった時のために他の餌も食べるよう慣れさせておくことも肝心です。
方法としては、普段から生きたブラインベビーを与える時に、例えば冷凍ブラインベビーを少し混ぜて与えるとか、いずれ食べさせたいベビーフードを匂い付け程度、ほんのちょっぴり生きたブラインベビーに混ぜて与えることを繰り返すのです。
そうすることで、生きたブラインベビーから他の餌への切り替えがスムーズにできます。
ブラインシュリンプの孵化に失敗する場合は、エアーの強さや塩の種類、塩分濃度を変えるなどして試してください。
塩は食塩でも問題なく孵化しますが、粗塩もありますし、海水魚を飼うために使う海水の元は1番良いです。
エアーは弱すぎても強過ぎてもダメですし、孵化器の中にうっかり汚水など余計な水が入っても雑菌が入って失敗します。
ブラインシュリンプの卵は、開封した後からは孵化率が落ちやすいので、保管状況や経過日数次第では使えない卵となり、孵化失敗の原因になります。
ブラインエッグの保管は冷蔵保管が良いですが、私は趣味時代は常温保存でしたし、店には冷凍庫しかないので冷凍保存しています。
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ラミレジィの種類
ラミレジィにも結構な種類がいます。見ていきましょう。
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ラミレジィの病気
ラミレジィも病気にかかる時には、他の魚と同様に色々な病気にかかることがありますが、エロモナス病によるポップアイや、細菌性または寄生虫によるエラ病が多いかもしれません。
異変が見られた場合は様子見をせず、すぐに対処するようにしましょう。
魚病薬や病気治療については下記の関連記事をご覧ください。
ラミレジィはドワーフシクリッドの代表種
入手もしやすく、小型水槽で繁殖までできる小型シクリッドの代表種ラミレジィ。
子育てをする魚であるシクリッドにハマるキッカケになるかもしれませんね。
ここから更に、アピストグラマや、その他のドワーフシクリッドの世界にドップリとつかってみてください。
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