“ウーパールーパーのケアのポイント：専門家が解説する最適な飼育法”

ウーパールーパーはそのユニークな外見と興味深い行動で、愛好者たちを魅了し続けています。

しかし、この特異な生物の飼育には独自のコツが存在し、成功するためには専門的な知識が必要です。

この記事では、ウーパールーパーの飼育における重要なポイントを、専門家が解説。

最適な環境、栄養、そして健康管理のアプローチについて細かく掘り下げ、愛らしい生き物たちとの共生を楽しむための手引きをお届けします。

ウーパールーパー愛好者や初心者の方々に向けて、魅力的な世界に足を踏み入れるためのエキスパートなガイダンスをご紹介いたします。

セクション 1: ウーパールーパーの基本

1.1. ウーパールーパーの生態

ウーパールーパー（学名：Ambystoma mexicanum）（和名：メキシコサンショウウオ、メキシコサラマンダー）（英名：Axolotl　アホロートル）は、中央メキシコのソチミル湖とその周辺に生息する淡水生物で、幼体のまま成熟します。

陸に上がることなく水中で生活し、外鰓を持っている特異な生態が特徴です。

これらの点から、水槽内においても水の中で生活することが必要です。

水中に隠れる場所や浮遊物体が必要で、水槽内での観察が容易であることが理想です。

ちなみに、変態して陸上生活に移行する個体もいますが、その際は、外鰓が無くなってサンショウウオのような見た目になります。

 

1.2. 適切な水槽と環境

ウーパールーパーは全長20㎝くらいにはなります。

容器が狭くても成長する生物であるため、飼育には十分なスペースが必要で、最低でも45㎝規格以上の水槽が推奨されます。

水質と水温管理が特に重要であり、フィルターの導入や定期的な水換えが必要です。

水温は18〜22℃程度が良いですが、ウーパールーパーにとって水温27℃以上からは危険な水温となります。

水温が低いぶんには平気なので、無加温の水道水で水換えしても大丈夫です。

冬に水温が下がり過ぎる場合はヒーターを使いますが、その場合はサーモスタット付きヒーターで水温をコントロールするか、金魚用のオートヒーターを使いましょう。

管理重視にする場合はベアタンク飼育にし、レイアウト素材は何も水槽に入れません。

底砂や隠れ家をレイアウトすれば、ストレスの軽減は期待できます。

最適な水質を作るために、各カルキ抜きや毒物除去剤から、目的に合ったものを選びましょう。

最強濾過バクテリアや、最強ＰSBなども以下のリンクから関連記事をご覧ください。

関連記事：最適な水作り（ディスカスのカルキ抜き）

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セクション 2: ウーパールーパーの品種

2.1. 主なウーパールーパー品種

ウーパールーパーには多くの品種がありますが、主なものにはマーブル、リューシースティック、アルビノ、ゴールデン、ブラックなどがあります。

各品種は外観や色彩において異なり、飼育難易度も変わるという話もありますが、飼育難易度に関しては気にしなくてもいい程度です。

しいて言えば、初心者にはマーブルがおすすめで、その他の品種に挑戦する前に基本を押さえるのも良いかもしれません。

ですが、好きな品種を飼うのが一番良いと思います。

 

2.2. カラフルなウーパールーパー

それでは、写真を用いてウーパールーパーの各品種をご紹介します。

アルビノ

 

リューシースティック

 

ゴールデン

 

マーブル

 

ブラック

セクション 3: ウーパールーパーの飼育テクニック

3.1. ウーパールーパーの食事と栄養

ウーパールーパーは肉食性であり、ワーム、昆虫、小魚などを好んで摂取します。

飼育の際は、冷凍赤虫や専用のドライフード、大型魚用の高タンパクなドライフードがよく使われています。

理想を言えば、栄養バランスを考えたバラエティ豊かな食事が良いです。

与える餌のサイズは、ウーパールーパーの口に入るサイズが前提になりますが、口に入る大きさでも喉を通らないと餌を吐き出したりするので、口に入るサイズの餌でも適さない場合があります。

それを踏まえて、ドライフードであれば少し小さめの餌がおすすめです。

 

3.2. ウーパールーパーの繁殖

まず、水槽にアナカリスなどの産卵場所になる水草を入れる準備をしておきましょう。

ウーパールーパーの繁殖には、冷却期間を設けて季節を感じさせることがポイントになります。

例えば、水温10℃以下で2週間から1ヶ月ほど飼育したあとに通常の水温に上げるとか、日中と夜の寒暖差をつけるために夜に冷たい水で水換えすることを繰り返したりとかです。

ダメなのは、ヒーターで水温を年中一定にすることです。

このようなことから、1年を通して無加温飼育をしていれば、繁殖のチャンスが訪れやすいと言えます。

ウーパールーパーの体が繁殖できる状態になっていて、上記のように水温変化で発情して繁殖スイッチが入れば、雄が水槽内に精包を多数出すようになります。

抱卵している雌がその精包を取り込んで受精卵を持ち、その後数時間～2日ほどで一粒ずつ産卵するようになり、その産卵は1～3日かけて行われます。

卵の数は、100個程度～数百個と多く生みます。

産卵が始まったら雄は水槽から取り出してしまいましょう。

産卵が終わったら雌も水槽から取り出して、水槽には卵だけを残し、軽くエアレーションをかけておきましょう。

卵を取り出して移動させる方法より、上記のようにした方が孵化率などは良い傾向にあります。

赤ちゃんが孵化するまでは、水換えをしない方が無難です。

孵化日数は水温で前後しますが、2～6週間くらいかかります。

ウーパールーパーの赤ちゃんが孵化するのにあわせて、生きたブラインシュリンプベビーを用意しましょう。

赤ちゃんの餌は、生きたブラインシュリンプべビーしか食べないと思って、それだけを用意してください。

ブラインシュリンプ冷凍赤虫エッグは、孵化に24時間前後はかかるので、それも計算に入れておきましょう。

ウーパールーパーの赤ちゃんの成長に合わせて、餌もいずれ冷凍赤虫などに切り替えていきます。

ウーパールーパーは大きくなっていくにつれて共食いの心配は無くなっていきますが、共食いのリスクを低くするには、個体サイズをそろえることや、お腹をすかせないよう餌を十分に与えるなどといったことに気をつけましょう。

セクション 4: ウーパールーパーの健康管理

4.1. ウーパールーパーの主な病気

水カビ病やカラムナリス病、イカリムシなどの寄生虫など、魚と同じような病気にかかることがあります。

当店の場合、普段の管理法として基本的には、水道水で直接水換えをし、しかも全換えを毎日しています。

これは、濾過器無しでプラケースに水を張っただけの環境なので、このような管理にしています。

カルキを抜かないことでウーパールーパーが死んでしまったことは、記憶にないくらいありませんが、心配なかたは一応カルキ抜きも使った方が良いです。

何にせよ、食後の水換えは危険なので、食後の水換えをするのであれば一晩汲み置いた溜め水を使用しましょう。

当店では病気らしい病気は発生しないのですが、これは水道水に含まれる塩素の力が働いているためと思われます。

問題になることが多いのは、おそらくウーパールーパーが浮きっぱなしになるケースです。

ぷかぷか病などと言われていますが、私が考えた対処法は、まだ水底に行くこともできる早い段階で、わざと砂や砂利を敷いてウーパールーパーが砂や砂利も食べることができるようにすることです。

砂や砂利の粒の大きさは、ウーパールーパーが食べても排泄できる小さな粒の物を選択してください。

これを考えたのは、自然界を思い浮かべれば、砂や砂利を食べてしまうこともあるだろうということと、砂や砂利が消化器官を通って排泄されることで消化器官の掃除になるのではないかと思ったのです。

それと、砂や砂利を食べることで、その重さで水底に沈むことができるようになれば、水底にいる状態（水圧がかかっていること）に体が慣れて正常に戻りやすくなる（浮袋が正常に働くようになる）だろうと思ったからです。

実際この方法は、好結果をもたらしています。

だったら普段から底砂を敷けば良いんじゃないかと思うかもしれませんが、その場合、餌でお腹を満たしているのかと思いきや、底砂を食べてお腹を膨らませていることもあるでしょうから、その判断がつけにくくなるデメリットを考えて、どっちをとるか決めるといいです。

 

4.2. 健康なウーパールーパーの特徴

ウーパールーパーの健康な特徴には、明るい色彩、正常な食欲、活発な動きが挙げられます。

ただし、当店のように無加温の水道水で直接水換えをしたあとは、外鰓の血色も一時的に薄くなり、動きも大人しくなります。

外鰓がフサフサしていることも体調の良さをあらわしますが、環境や個体によっては元気でも外鰓が一時的に小さくなったり、変態しかけている個体も外鰓が小さくなっていくので、体調の判断材料としては絶対ではありません。

これらの特徴を観察することで、早期に健康問題に気づくことができます。

セクション 5: ウーパールーパーと混泳

5.1. ウーパールーパーの混泳相手

ウーパールーパーは穏やかな性格を持ちますが、ウーパールーパーの口に入らない大きさや体型の魚と混泳させることがポイントです。

逆に、ウーパールーパーの外鰓などを齧らない魚を選ぶこともポイントで、これらは予想して選ぶものの、実際に試してみないとわからないとも言えます。

混泳相手を選ぶ際には、同じ水質・水温条件の魚であることも考慮しましょう。

 

5.2. 混泳時のトラブル回避法

混泳時には注意が必要です。

ウーパールーパーは比較的平和な性格を持っていますが、同じ水槽内でのトラブルを避けるためには、適切な隠れ家を提供し、各魚に適したエリアを確保することが大切です。

このためには、水槽のサイズは大前提で、なるべく大きな水槽が混泳を成功に導きます。

水槽の幅だけでなく、奥行きや高さもあるほうが良いことになります。

ウーパールーパーの生活層は水底なので、水面を生活層とする魚種との混泳だと水槽の高さがあることは良いポイントになるので、高さの無いLOWタイプの水槽はあまり混泳に向かないかもしれません。

まとめ

この記事は、ウーパールーパーの飼育に関する包括的な情報を提供し、飼い主が専門的で効果的なケアを実践できるようになっていると思います。

ウーパールーパー飼育は、夏の高温対策だけが鍵だと言ってもいいくらい、その他は難しくありません。

当店では、塩素除去していない無加温の冷たい水道水で、毎日のように全換えするような管理をしているくらいですから。

しかし、水道水に関しては地域やご家庭の事情で質に違いがあるので、念のためカルキ抜きをする方が安全だと言っておきますね。

ぜひ今回の記事を役立てて、ウーパールーパー飼育を楽しんでください。