美しさと健康を手に入れる!グッピーの飼い方完全ガイド

ディスカスとの混泳

グッピーとは?

グッピー(学名:Poecilia reticulata)は卵胎生メダカの仲間で、その美しい色模様と独特のヒレ、遺伝の多様性で知られ、熱帯魚の中でも特に人気があります。

通常ほとんどの魚は卵生魚なので卵を産みますが、卵胎生魚というのは卵を産まずに稚魚のまま産まれてきます。

卵胎生魚は、雌(メス)のお腹の中で卵から孵化し、産まれてくるときは稚魚の状態で産まれてくるのです。

グッピーの一般的な寿命は1〜2年くらいで、弱酸性〜弱アルカリ性の水を好むのですが、酸性に対する耐性が低いので、水質管理が重要になります。

繁殖は容易で、「ミリオンフィッシュ」と呼ばれるほど多くの仔魚を産むことがあります。

外国産と国産の違い

外国産グッピーは手頃な価格で入手でき、多くの魚を飼いたい方におすすめです。

体格が良く、派手な見た目が特徴でもあります。

外国産グッピーは水質適応に注意が必要で、これは生産地の水質と日本の水質の違いに理由があります。

そのため、外国産グッピーは中性~弱アルカリ性の水質適しています。

一方、国産グッピーは繊細な作りが特徴で品質が高く、日本生まれの日本育ちということで環境への適応もスムーズで飼いやすいです。

国産グッピーは、弱酸性の水質下で普通に飼育できます。

あとでお話ししますが、病気の面でも外国と日本では違いがあるので、そこも注意が必要です。

人気の種類

グッピーには様々な種類がありますが、お国柄で人気品種に違いもあります。

日本では、グッピーコンテストでも多く見られる、以下の品種が昔から人気の基本品種です。

 

 

 

上の赤いグッピーはゴールデンフルレッドですが、フルレッドの写真が無かったのでゴールデン体色のフルレッドをご紹介しました。

ここでは紹介しきれない、すごい数の品種がいるのがグッピーです。

ご自身でも品種を調べてみてください。

以下の当店サイトでもグッピーを購入できます。

グッピーの購入はこちらからもできます。

オスとメスの見分け方

国産モスコーパンダの雄(オス♂)

雄(オス)は、尻ビレ(肛門の手前についているヒレ)が「ゴノポジウム」という生殖器になっているため、尻ビレが棒状の形になっているのが最大の特徴です。

体色も、色彩が豊富で綺麗に見えるのも雄の特徴です。

 

国産モスコーパンダの雌(メス♀)

雌(メス)は、肛門のあたりが黒くなっていて、腹部が膨らんでいる特徴があります。

色彩はとても地味で、たいていは色模様があるとしてもヒレに色がついているくらいで、見た目はメダカっぽく見えます。

この違いを把握しておくと、性別ごとの個体管理がしやすくなります。

混泳について

グッピーは温和な性格なので、同じくらいの大きさの熱帯魚と混泳が可能です。

ただし、ヒレを他魚にかじられたり、仔魚が食べられるケースが多いので、注意が必要です。

逆に、他の魚を突っつく癖のついたグッピーは、他魚をしつこく突っつきまわして死なせてしまうケースもあるので、「やる」「やられる」のどちらのケースもあるものです。

コリドラスは絶対に他魚を攻撃したりしない、平和主義な魚ですね。

 

オトシンクルスも小型で混泳しやすい温和なナマズの仲間です。

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小型のカラフルなエビも混泳に問題はありません。

 

ディスカスとの混泳は、水質面の相性問題より、グッピーが小型魚であることの方があまり相性が良くない理由です。

単に小型魚ということだけではなく、ヒレが大きい品種がほとんどなため、ディスカスの気を引いてしまいがちなことでグッピーが攻撃を受けやすいのと、ヒレが大きいがために俊敏さにも影響していてディスカスに捕まりやすいのです。

それを考えると、ヒレの小さい品種のグッピーの方がディスカスとの混泳には向いているかもしれませんが、そのような品種はたいていグッピーの中でも少し小ぶりな品種が多いので、小ぶりな点はディスカスとの混泳には不利になるのが考えものです。

グッピーのペアとディスカスを混泳させると、グッピーの雄の方が早い段階でディスカスに殺されてしまうパターンがほとんどなのは、雄は色彩が目立つことや、ヒレが大きいことで目立つのと俊敏さに影響すること、体が雌と違って小さめなことが影響しているのだと思います。

ちなみに、混泳でもう一つ注意点があります。

もう一つの注意点は、水質や水換えに関することなので、次でお話しします。

水換えにも上手い下手がある

もう一つの注意点、それは水質ですが、グッピーは酸性に対する耐性が低いため、他の魚が元気に暮らしている酸性度の水質でも、グッピーだけが死んでいくケースがあります。

一般のかたの水槽でよくあるのが、混泳しているネオンテトラは元気にしているのに、いつもグッピーだけが死ぬというケースです。

これは水換えが間に合っていないとか、pH値を積極的に下げるようなものが水槽環境にあるのが原因です。

そのため、改善するには水換え頻度や量を増やすとか、pH値が下がりにくくなる商品を使うとか、そもそもの水量を増やして(水槽を大きくして)水質悪化しにくくするなどの対処が必要です。

ネオンテトラはpH値の低い環境でも耐性があるのですが、グッピーはpH値が低い水質環境だとカラムナリス病のような症状を見せて死んでいきます。

どのような症状かというと、ヒレをたたんで水面や水底に静止するような様子を見せたり、ヒレがとけてきたりします。

これは、一見するとカラムナリス病に見えるのですが、飼育水のpH値を計った時に低いようであれば、低pHが原因です。

どのくらいが危ない数値かという具体的な数字は実際の様子を見ながらになりますが、低くてもだいたいpH6.0を切らないようにするが無難です。

もしこのような低pH障害の症状を見せた場合は、pH/kh上昇剤を使ったり、最終的には水換えをして水質を改善します。

低pH状態なので、それなりの量の水換えをしなければならないのですが、水換え前と水換え後の水質変化が大きくなることから、下手な水換えをしたがための水質ショックで魚を死なせてしまうことがあります。

水換えは魚を健康に飼うための欠かせない作業なのですが、下手な場合は魚を死なせてしまう原因にもなるのです。

上手い水換えとは、やり方は何通りかあるのですが、溜め水を使わない一般的な水換えの場合(適温にした水道水にカルキ抜きを入れて使う場合)、一度に換える量は多くても全体の半分までとしておくのが無難です。

上手い水換えに必要なのが溜め水です。

溜め水はヒーターで適温に温めながら一晩汲み置くだけでいいのですが、このような溜め水は危険な二酸化炭素が気化して抜けているので、一度に全換えだろうがいくらでも水換えできます。

ただしここで、溜め水でも別な問題を気にしなくてはいけません。

それは、pH値などの水質の急変です。

いくら一番安全である溜め水を使ったとしても、溜め水の水質と水槽の水の水質には違いがあるので、水質ショックを受けないように上手く水換えをしなければいけません。

具体的には、水換えに使う水はゆっくり入れて、水質変化が徐々に起こるようにするとかです。

バケツでザバーッと一気に入れるのは水質が急変するので、なるべく細めのホースなどで入れるなどすると水質の急変を防ぐことができます。

ただし、またここでゆっくりとやっていてもグッピーが死んでいくまで余裕がないケースも多いので、水換え時や新魚導入時に水質ショックをなるべく避けたいときは、絶対に使うべき商品がアクアセイフです。

アクアセイフは元々は粘膜保護剤なのですが、現在は粘膜保護に特化したカルキ抜きとして販売されています。

アクアセイフを使って水換えをすることで、水換えの際の水質変化によるショックを受けにくくしてくれます。

買ってきた魚を水合わせして水槽に入れるときや、魚を別の水槽に移動させるときなどもアクアセイフを直前に溶かしておくと、水質ショックを避けることができるのでおすすめです。

普段からのpH低下の予防策としては、pH値が下がる時に同時にpHを上げて誤魔化すカキガラやサンゴ砂を使う方法と、そもそものpH低下の原因物質を取り除く高性能なカルキ抜きや、通性嫌気性バクテリア商品を使う方法があります。

原因物質を取り除く方法を一番におすすめしますが、誤魔化す方法も併用すると、pH維持環境としては完璧です。

詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

関連記事:最適な水作り(ディスカスのカルキ抜き)

関連記事:最適な水換えとは(ディスカスの飼育)

グッピーを健康に育てるポイント

  • 水質管理: 低pH値にならないくらいの水を保ちましょう。
  • 水草の導入: 隠れ場所として水草を活用しましょう。
  • 水温管理: 23℃くらいがグッピーの適温ですが、ヒーターの使用が勧められます。
  • 水流に注意: やさしい水流がストレスを軽減します。

水質管理についてですが、水換えをサボリがちな人は必ず酸化物を除去できるような高性能なカルキ抜きと、通性嫌気性バクテリア商品を使いましょう。

水草は無いよりはあった方が良いです。稚魚の隠れ家というだけなら、シュロ縄で自分で作ってもいいです。

水温は熱帯魚としては低めの23℃くらいが適温ですが、低温飼育法としては20℃で管理する方法もあります。30℃を超える環境で産まれてくる稚魚は奇形が多くなる傾向があります。

改良グッピーはヒレが大きくなっている品種が大多数なためもあって、強い水流がある環境は向いていません。

グッピー飼育に必要な用品

  • 水槽: 超余裕を持って飼うとするなら、グッピー1匹/1〜2ℓを基準に選びましょう。
  • 底砂: 水草を植えるのに必要。バクテリアの繁殖を促進し、水質を保つのに役立ちます。
  • エアーポンプ: 水質浄化をしてくれる好気性バクテリアと、魚に酸素供給をしてくれます。
  • フィルター: 毒物を比較的無害な毒に変換するという意味で、水を清潔に維持します。

水槽については、グッピーのような大きさの魚には、1匹あたり1~2ℓの水量があれば余裕を持って飼育できるという意味で、実際には水換え頻度を多くできる人ほど、倍以上の匹数を管理できます。

底砂の使用の有無は、メリットとデメリットがあるので、必ずしも底砂を敷くことが1番良いわけではありません。

エアーポンプは無くても魚の飼育はできますが、水槽内にいる濾過バクテリアである好気性バクテリアの活動には酸素が必要なので、エアーポンプで酸素供給した方が水質浄化にはプラスに働きます。

フィルターの役目は、あくまでも水槽内に発生する目に見えない猛毒を、早く比較的無害な毒に変換するのが主なもので、他の役割としては、目に見えるような濁りの除去などもあります。フィルターを使っていれば水換えが必要ないというものではありません。最終的に水槽内に残る比較的無害な毒、つまり酸化物も溜まり過ぎれば毒になりますし、そもそも酸化物ですからpH低下の原因にもなるので、基本的には水換えで水槽内から排除することが必要です。フィルターの吸水口には目の粗くないスポンジを付けて、グッピーの稚魚が吸い込まれないようにしましょう。

グッピーの餌

グッピー専用の栄養バランスが考慮された餌がおすすめです。

グッピーはエネルギッシュで短命な魚のため、グッピー用の餌は高タンパク質に作られています。

定期的に与えることで健康を維持できます。

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冷凍赤虫も強くおすすめしたい餌です。

グッピーマニアの方は、稚魚にも成魚にも生きたブラインシュリンプベビーを与えます。

繁殖について

グッピーは容易に繁殖しますが、近親交配による問題があるため、新しい個体を定期的に導入することが重要です。

最低でも2年以内に新しい血を導入するのがおすすめです。

一般的には、産仔間近になった雌を産卵箱に移動させて繁殖させる方が多いと思いますが、そこまでしなくてもというかたは雌を移動させなくても自然繁殖させることもできます。

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自然繁殖は、最低でも水槽内の3分の1を水草などの隠れ家で占めるようにすると良いです。

ちゃんと繁殖させる場合は、もう一つ水槽を用意して、その水槽を産仔兼稚魚育成水槽にします。

産仔兼稚魚育成水槽に、100円ショップなどで販売しているプラスチック製のカゴ状のものを浮かべ(浮かばない場合は沈まないように細工をする)、そのカゴの中に産仔が近い雌を放します。

この環境であれば、産卵箱と違って水質悪化の心配はないので、産仔間近じゃない雌を入れても長めの期間この中で飼うこともできます。

そして産仔が行われると、産まれた稚魚はカゴの外に出ていき水槽内に泳ぎ出して、雌親とは隔離状態になるため食べられずに済みます。

産仔が終了したら雌親とカゴを取り出して、稚魚育成の水槽となるのです。

稚魚の育成水槽のフィルターは、スポンジフィルターのみとシンプルにしましょう。

注意点と病気予防

定期的な観察と水質管理が重要です。

異常な行動や症状が見られた場合は、様子見はせず早めの対処が必要です。

適切な薬品を備え、病気に対処できるように心掛けましょう。

各病気や魚病薬については、以下の関連記事を参考にしてください。

関連記事:魚の病気と魚病薬(ディスカスの病気)

グッピーの病気に対して一番のおすすめは、0.5%塩水浴です。

塩は粗塩が良いです。

食塩でも効果はありますが、精製塩は99%ぐらいが塩化ナトリウムでニガリ成分が取り除かれています。

粗塩はニガリ成分が含まれているため、これがミネラル的な栄養として良い働きをしてくれます。

私が体験した魚の病気で、最短の強烈なものがグッピーの強烈な感染症です。

卵胎生メダカの仲間同士で感染するのですが、水1滴から感染するのはどの病気にも言えることで、それよりもこの感染症が怖いのは、感染した次の日には発症し、その次の日には全滅するという、3日で全滅する早さです。

外国産のグッピーや、プラティなどの卵胎生魚から持ち込まれて、国産グッピーに感染するパターンで見られます。

普通、魚の病気が発症するのは、病原体に出会ってから1週間前後であるパターンが多く、早くてもディスカスの3日目に発症する感染症くらいです。

このグッピーの強烈な感染症は0.5%塩水浴で治療できるので、その点は楽だと思うのですが、全滅するまでが早いので、対処の早さにかかっている点が厄介です。

まず滅多に遭遇することはない感染症ですが、グッピーなどの卵胎生魚を飼い始めた場合は、次の日から体調を崩していないか観察を怠らないように気をつけましょう。

まとめ

グッピーの飼育は楽しく充実したものになります。

時折聞くような話で、繫殖しすぎて困るというようなものがありますが、それは間違いで、実際は環境に合わせた数で繁殖は止まるので、際限なく増えていくようなことにはならないのです。

だって、普通なら稚魚は周りの魚に食べられてしまうのですから。

そして、グッピー飼育には色々な遊び方があります。

観賞魚の中で繁殖が一番簡単でいて、奥深さも一番かもしれません。

この記事を参考にして、健康で美しいグッピーを育てましょう。

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