美しいコバルトブルーアカラの環境設定: アクアリウム愛好者のための完全ガイド

ディスカスとの混泳

コバルトブルーアカラは美しい外観と魅力的な行動で知られ、アクアリウム愛好者にとって魅力的な種です。

この完全ガイドでは、コバルトブルーアカラの飼育から繁殖、環境設定、病気について、混泳についてなど、あらゆる側面に焦点を当て、最適な環境でコバルトブルーアカラを育てるための詳細な情報を提供します。

コバルトブルーアカラの特徴

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当店ZERO産コバルトブルーアカラ:アクアショップZERO

コバルトブルーアカラ(学名:Andinoacara pulcher var)(以前の学名でいえば:Aequidens pulcher var)は、美しい色合いと興味深い行動で知られる小~中型のシクリッド科の熱帯性淡水魚です。

私の感覚で言えば、コバルトブルーアカラは中型魚というには大きいので、小型魚と思っています。

以下は、コバルトブルーアカラの特徴についての一般的な情報です。

 

1.分布

  • コバルトブルーアカラの原種であるブルーアカラは、主にアマゾン川流域に分布しています。南米のペルー、エクアドル、コロンビア、ブラジルなどで見られます。コバルトブルーアカラは東南アジアで養殖されたものが日本へは輸入されています。流通し始めた早い段階で当店でもブリードし、国産物として販売もしました。

2.全長サイズと形態

  • 体長は成魚で約10cmほどになります。
  • 体は側扁で、やや高い体型をしており、丸味を感じます。美しいヒレが特徴的です。

3.色彩

  • コバルトブルーアカラは美しい色合いを持っています。基本的にはブルーに輝く体色をしていますが、時と場合によっては黒い色が部分的にあらわれることもあります。
  • 背ビレの縁がオレンジ色に色付く様子も見られるでしょう。

4.行動と性質

  • コバルトブルーアカラは比較的に穏やかな性格を持っていますが、繁殖期になると防衛的になることがあります。ペアリングされた個体は、他の魚や同種他個体に対して攻撃的になることがあります。

これらの特徴は一般的なものであり、個々の個体や環境によっても異なることがあります。

飼育する際には、種ごとの要件や行動をよく理解し、それに基づいて丁寧に管理することが重要です。

コバルトブルーアカラの飼育

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コバルトブルーアカラの飼育は、適切な水質管理と環境設定が重要です。

以下は、この美しいシクリッドの飼育に関する詳細なガイドです。

水質管理

1.水槽のサイズ

  • コバルトブルーアカラは少し大きめの小型のシクリッドであり、適切なスペースが必要です。最低でも45規格~60規格水槽以上の水槽を用意しましょう。

2.フィルター

  • フィルターは何でも構わないので、水質を常にクリアに保ちます。繁殖まで考えるならスポンジフィルターは設置し、若魚や成魚の飼育時はメインの他のフィルターとダブル濾過のかたちで稼働させましょう。スポンジフィルターは、酸素供給も兼ねることができるのでおすすめです。

3.水温とpH

  • コバルトブルーアカラの原種はアマゾン川流域の魚であるため、水温は24〜28℃を維持し、pHは6.5〜7.5に調整します。とは言うものの、おすすめは27~28℃、pHは水換えをよほどサボらなければ中性前後は保てるので気にしなくても大丈夫です。

最適な水質を作るために、各カルキ抜きや毒物除去剤から、目的に合ったものを選びましょう。

最強濾過バクテリアや、最強PSBなども以下のリンクから関連記事をご覧ください。

関連記事:最適な水作り(ディスカスのカルキ抜き)

飼育環境設定

1.水槽内レイアウト

  • アマゾン川の自然な環境を再現するために、岩や流木、植物を配置し、コバルトブルーアカラが隠れ家を見つけられるようにしましょう。

2.底砂

  • 細かな底砂を使用すると、コバルトブルーアカラが掘ることができ、自然な行動を観察できます。逆に、管理重視にするためにベアタンクにしてシンプルなレイアウトで飼育するのも1つの方法です。

3.適切な照明

  • 明るすぎず、暗すぎない適切な照明を提供しましょう。水草も植えるのであれば、水草が成長しやすいように注意して設定しましょう。

餌と栄養

1.バラエティ豊かな食事

  • コバルトブルーアカラは雑食性であり、ドライフードや冷凍餌などを組み合わせたバラエティ豊かな食事が理想です。

2.定期的な絶食

  • 過剰な給餌は避け、稚魚・幼魚以外は定期的な絶食日を設けて消化器官の休息を促します。稚魚・幼魚以外であれば、週に1日の絶食日を設けることで濾過環境の回復にも役立ちます。これは、どの魚種にも言えることです。

3.観察と手入れ

  • 定期的な観察を通じて魚たちの健康状態を確認し、必要に応じて手入れを行います。コバルトブルーアカラの飼育は愛情をもって行うことで、魚たちが健康で活発な生活を送る手助けとなります。水換えを怠らず、水質を良くしてくれるアイテムを積極的に使用することも、上手な飼育・繁殖の大きな助けになってくれます。

 

 

コバルトブルーアカラの繁殖

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コバルトブルーアカラの親魚と稚魚:アクアショップZERO

コバルトブルーアカラの繁殖は、適切な環境とペアリングの確立に焦点を当てることが重要です。以下は、コバルトブルーアカラの繁殖の成功のためのステップバイステップガイドです。

繁殖環境設定

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上が雄個体、下が雌個体:アクアショップZERO

1.ペアリング

  • コバルトブルーアカラを複数で飼育していると自然とペアができることがあります。ペアリングに成功した場合は、ペア水槽を用意し、繁殖のための適切な条件を整えましょう。
  • 成熟したコバルトブルーアカラが複数いれば、なんとなく雌雄判別ができたりもするので、自分で個体を選別してペアにすることもできます。
  • ペアリングが成功すると、魚たちは特定のエリアを占有し、ペアリング行動を始めます。

 

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セットした白い石に狙い通り産卵:アクアショップZERO

2. 適切な産卵場所の用意

  • コバルトブルーアカラは卵を産むための場所を決めます。平らで硬い石の表面や、テラコッタ鉢を水槽内の数ヶ所に設置し、ペアが産卵場所を自由に選べるようにします。

 

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稚魚が孵化して黒っぽく見える:アクアショップZERO

3. 繁殖行動の観察

  • 産卵が近付くと、コバルトブルーアカラは繁殖行動を始めます。この時は産卵場所の掃除のために口で突く行動をします。この時から雌は輸卵管が目立つくらい出てきますが、そのうち産卵が始まります。注意深く観察しましょう。

 

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自由遊泳を始めた稚魚を守る親魚:アクアショップZERO

4. 卵と稚魚の管理

  • 産卵すると、ペアは卵を守り、世話をします。卵は3日前後で孵化しますが(水温により孵化日数が前後する)、白くなったりカビた卵は、未受精卵や死んだ卵です。孵化した稚魚は親魚によって安全な場所に移動させられます。その時親魚は、稚魚を口の中にふくんで移動させます。

 

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生きたブラインシュリンプベビーを食べてお腹がオレンジ色に見える稚魚:アクアショップZERO

5. 適切な餌の提供

  • 孵化から更に2~3日ほどで稚魚が自由遊泳を始めます。自由遊泳を始めると稚魚は餌を食べるようになるので、生きたブラインシュリンプベビーを与えます。生きたブラインシュリンプベビーを得るには、ブラインシュリンプの乾燥卵から孵化させるのに24時間以上はかかるので、稚魚が自由遊泳を始めたのを見てすぐにブラインシュリンプの孵化にとりかかるか、できれば稚魚の自由遊泳する日に合わせてブラインシュリンプの孵化もさせるのが良いです。

 

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成長して体が青みを帯びてきた稚魚:アクアショップZERO

6. 稚魚の成長と隔離

  • 基本的には、親魚と稚魚を一緒にしている限り、しばらくの間は親魚は稚魚を守りますが、親魚の負担になる場合もあります。稚魚が餌を食べるようになれば、親魚と離すことはできるので、早い段階で親魚と稚魚を分けるのも方法です。親魚と稚魚を離す時期が早いほど、親魚はまた次の産卵に向かうのが早くなるので、稚魚を多く得たい場合は、親魚と稚魚を早い時期に離しましょう。
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すっかりコバルトブルーアカラになった幼魚:アクアショップZERO

7.稚魚の育成
  • 成長期にある魚は、高頻度の水換えで代謝が促進されて、成長が促されます。安全な水を使って、安全な水換えをして、成長期にある稚魚や幼魚を将来立派なコバルトブルーアカラに成長するよう、手をかけてあげましょう。
コバルトブルーアカラの繁殖は飼育者にとって素晴らしい経験となり、成功への努力と観察が豊かなアクアリウムライフを築く鍵となります。

病気について

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コバルトブルーアカラの健康を維持するためには、病気の予防が不可欠です。

ですが、コバルトブルーアカラは丈夫で飼育しやすいため、これといった罹りやすい病気などはありません。

それをふまえて、以下は、主な病気とその予防・対処法に焦点を当てたガイドです。

気をつける病気

1.寄生虫

  • コバルトブルーアカラが白点病や細菌性感染症など一般的な病気になった場合は、それに応じた対処をするまでです。シクリッドという特性上、あえていうのであれば寄生虫に注意しましょう。例えば、体外に寄生する寄生虫もいれば、体内に寄生する寄生虫もいます。体内に寄生するものは、シクリッドの頭部穴あき病の原因にもなるので、腹部の寄生虫は日頃からなるべく駆虫しましょう。

予防法

1.定期的な水質検査

  • アンモニアや亜硝酸、硝酸塩の数値を定期的にモニタリングし、異常があれば速やかに対処します。他には、日頃からpH値やTDS値くらいは把握しておくと、水換えのタイミングを知ることもできるのでおすすめです。

2.ストレスの軽減

  • 適切な環境設定、十分な隠れ家、仲間との適切な混泳は魚たちのストレスを軽減します。子供に水槽が叩かれるなどがないよう、または、ドアのそばなどで振動が起こらないよう、または、水槽に影がうつらないよう、水槽の設置場所には気をつけましょう。水槽の設置場所が高い場所ほど、魚にはストレスがかかりません。

3.適切な餌と栄養

  • バラエティ豊かな栄養バランスの良い食事を提供し、免疫力を向上させます。冷凍赤虫は必須と言っていい餌です。冷凍ディスカスハンバーグもおすすめです。

早期発見と治療

1.観察と早期発見

    • 魚たちの行動や外観の異常を観察し、早期に病気の兆候を見つけることが重要です。そのためには、常日頃から魚たちを観察し、通常の状態を覚えておくことで異常に気がつくことができるので、まずは観察して通常の状態を覚えましょう。

2.適切な治療

      • 先ほどの寄生虫による病気でいえば、トリクロルホン製剤やレスバーミン、マラカイトグリーン水溶液などが一般的に販売されている魚病薬になります。寄生虫の種類により、これら魚病薬の選択も違ってきたりします。病気が発見された場合は、適切な治療法を迅速に実施するか、自分ではわからない場合は、信頼のおける専門店のアドバイスを仰ぎましょう。

コバルトブルーアカラの健康を保つためには、予防が最も重要です。

定期的な観察と水質管理、適切な栄養摂取が、健康な魚たちをアクアリウムで楽しむための基本となります。

ですが、そこは生き物、いくら予防に努めていても必ず病気は経験することになるので、魚病薬や対処法などを覚えるようにしましょう。

魚病薬や病気治療については下記の関連記事をご覧ください。

関連記事:魚の病気と魚病薬(ディスカスの病気)

混泳について

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コバルトブルーアカラと混泳魚の様子:アクアショップZERO

1.温和な相手を選ぶ

  • コバルトブルーアカラはシクリッドですが、温和な性格をしています。そのため、混泳相手にも温和な相手を選ぶのが得策です。コバルトブルーアカラの口に入らないサイズの混泳魚を選ぶことと、温和な混泳魚を選ぶことがポイントです。コバルトブルーアカラより気が荒い魚と混泳させる場合は、少なくともコバルトブルーアカラより体の小さな魚であることが条件になります。それでも混泳に絶対はありませんので、やってみなければわからないとも言えます。

2.レイアウトを複雑にする

  • シクリッドの混泳のパワーバランスをはかる方法の1つで、レイアウトを複雑にする方法もあります。そして、そのレイアウトを大きく変更することも有効です。その他、基本的には水槽は大きな方が良いです。お店でよくある方法としては、過密や超過密飼育です。スペースに対して魚が多くいて狭い環境というのは、喧嘩やイジメが起きにくくなるのです。ただし、これにより水質管理が難しくなったりとデメリットもあるので、色々とふまえたうえで方法を選択しましょう。

まとめ

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立派な当店ZERO産コバルトブルーアカラ:アクアショップZERO

美しいコバルトブルーアカラを飼育・繁殖し、健康で幸福な状態を維持するためには、水質管理、適切な温度・pH、適切な設備、病気の予防・対処、混泳の工夫が重要です。

これらの要素を組み合わせ、飼育者としての観察力と手入れの徹底を行うことで、美しいアクアリウム環境を構築できます。

コバルトブルーアカラと共に、楽しいアクアリウムライフをお楽しみください。

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