コリドラスとプレコとエビ、どれが最強の水槽お掃除屋さん?

ディスカスとの混泳

水槽の水質をなるべく悪化させないようにするために、エビやコリドラスやプレコの力を借りる方法があります。

それら生物の中で、どれが1番水槽掃除に適しているのか、プロが解説するこの記事を参考にしてください。

水槽内掃除とは何を重視するか?

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アルビノセルフィンプレコと金魚:アクアショップZERO

水槽掃除と一言で言っても、何を重視するかで選ぶお掃除屋さんも違ってきます。

エビが掃除してくれるもの、コリドラスが掃除してくれるもの、プレコが掃除してくれるもの、それぞれ同じものを掃除してくれる特徴もあれば、それぞれが違うものを掃除してくれるという特徴もあります。

エビは、残り餌やアオミドロなどの糸状のコケを主に食べてくれます。

コリドラスは、底砂の中に入ってしまった餌も口を突っ込んで食べてくれます。

プレコは、残り餌やガラス面やコード類など、プレコの踏ん張りがきく場所についたコケを食べてくれます。

コケを食べる魚などについて「コケ以外の餌に慣らさないといけない」などというお話もありますが、その点は実際のところ他の魚と混泳させていればなおさらですが、自然とすぐに餌に慣れるので心配ありません。

掃除屋としてのプレコは?

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当店ZERO産ブッシープレコの雄個体:アクアショップZERO

プレコはナマズの仲間ですが、一般的なコケ取りプレコとしてはサッカープレコやセルフィンプレコが代表になります。
小型のものでは、ブッシープレコが挙げられますが、コケ取りの馬力的には前述の2種より劣るので、ブッシープレコの場合は匹数でコケに対抗することになります。
例えば60㎝規格水槽に対して、コケ取りとしてサッカープレコやセルフィンプレコの小型~中型サイズのが1匹で済むところ、ブッシープレコの中型~成魚だと5~10匹は必要になるような感覚です。
水槽が小さい場合や、水草が主体の水槽となれば、選択肢はブッシープレコやオトシンクルスまで広がります。
オトシンクルスは、ブッシープレコの更に馬力が無いバージョン魚だと考えればわかり易いと思います。
馬力が無いというのは、言い方を変えれば水草があるデリケートな環境にも向いているということです。

プレコは何を掃除してくれる?

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セルフィンプレコで仕入れたものの、オレンジスポットセルフィンプレコか、それらの交雑と思われる個体:アクアショップZERO

プレコは、プレコ自身が踏ん張りがきく場所のコケを食べてくれます。

例えば、一般的に流通するサイズのセルフィンプレコやサッカープレコであれば、アヌビアス・ナナやアマゾンソードのような葉っぱへも踏ん張りがきくので、葉の表面に付いたコケも食べてくれます。

これが大型個体になるほど葉っぱの表面のコケは食べにくくなってきますし、そもそも水草レイアウトを壊すほどのパワーを持ってくるので、水草との共存は水槽サイズや水草の種類とプレコのサイズ関係次第になってきます。

プレコが得意とするコケ取りは、水槽内のほぼ全ての箇所になります。

例えば、ガラス面や流木、コード類など全てです。

そのため、水槽内は常にピカピカに保つことができます。

そして、水槽底面に落ちた餌も食べてくれるので、とてもオールマイティなお助けマンになるのです。

プレコはフンが多いから水が汚れる?

 

 

 

 

他の熱帯魚との混泳は注意が必要?

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大きなシルバーシャークとセルフィンプレコと金魚の混泳水槽の様子:アクアショップZERO

基本的に小型魚との混泳は心配ありません。

小型魚の事は、プレコは相手にしないからです。

ただし、そうは言っても正確にはプラティサイズの魚は、プレコが相手として意識するサイズになるケースがあります。

だとしても小型魚は基本的にプレコには捕まらないので大丈夫です。

注意するのは、ある程度の体のサイズがあるような魚種達です。

先程説明したように、プラティサイズより上の魚種で、大きくなればなるほどプレコからすれば的として大きくなるぶん、舐めたり胸ビレでひっかきやすくなるので、大きな魚ほど注意が必要になってくるんです。

プレコに舐め殺されることが普通にあるので、ディスカスやポリプテルスなどは注意が必要です。

そうなるリスクを激減させることができる方法を見つけたので、以下の記事も参考にしてください。

掃除屋としてのコリドラスは?

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WILDコリドラス・ステルバイ:アクアショップZERO

昔から「掃除屋」と例えられるのが、コリドラスです。
ですが私は、コリドラスは掃除屋というには適していないと思っています。
理由は次で解説します。
そのまえに、コリドラスの良いところは混泳のしやすさです。
コリドラス自身が他魚に危害を加える心配は皆無なので、コリドラスが他魚にやられないかということだけを考えて、混泳の際は注意すればいいです。
コイドラスは平和主義者なのと、色々な種類もいてコレクション性もあり、可愛らしいのが魅力で人気がある魚です。
そんなコリドラスに対して、掃除屋というのは私は合わないニックネームだと思いますね。

コリドラスは何を掃除してくれる?

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WILDコリドラス・エクエス:アクアショップZERO

先程書いた、コリドラスは掃除屋というには適していないのは何故か?
理由は、底に沈んだ餌を食べてくれる魚はコリドラスだけではないからです。
それにコリドラスはコケを食べたりはしてくれません。
餌しか食べないのです。
ディスカス飼育水槽のように、ベアタンク飼育ではあまり掃除屋の意味をなしません。
底砂がある水槽であれば、コリドラスの真価が発揮されます。
コリドラスは底砂に口を突っ込んで、底砂の中に入ってしまった餌も食べてくれるからです。

ちなみに、コリドラスは残り餌だけを食べているかのような間違えた解釈を見かけますが、ただただ餌を食べるというだけです。

その結果、底に落ちた残り餌も食べているというだけで、プレコもそうですがコリドラスも逆さまになって水面の餌も器用に食べることができます。

コリドラスはフンが多い?

結論から言うと、そんなことはありません。

基本的には、単純にどの魚も体の大きさに見合った量を食べ、体の大きさに見合ったフンをする、というだけです。

細かい点を言えば、コリドラス用の餌はプレコ用の餌のように植物質性に偏ってはいないので、コリドラス用の餌自体もそうですし、コリドラスのフンもプレコよりは水を汚しやすいとは言えるところがあります。

ただ、そうは言ってもコリドラス自体は大きな魚ではないので、水の汚れについては心配するほどではないです。

匹数を多く飼うほど、水の汚れを心配するようにしましょう。

 

 

 

 

とにかく他の熱帯魚と混泳させやすい

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WILDコリドラス・メタエ:アクアショップZERO

先程も少し触れましたが、コリドラスはとにかく混泳させやすい魚の代表種です。

1番混泳させやすいといっても過言ではありません。

コリドラスとしては大型で気が荒いといわれる種に関しては、バルバートゥスがそれにあたるのですが、正確には現在はバルバートゥスはコリドラスではなく、コリドラスの仲間となっています。

細かいことは置いておきますが、バルバートゥスとて何ら混泳に心配はありません。

コリドラスとして見れば気が荒い方というだけの話です。

コリドラスは、コリドラスが他魚に攻撃されることだけ心配していればいいだけで、混泳に関しては他に何ら不安はないのです。

掃除屋としてのエビは?

エビは、ミナミヌマエビ系改良種や、ビーシュリンプやタイガーシュリンプ、それらから更に改良され作出された色々なエビがいますが、コケ取りのエビとなると限られます。

コケ取りのエビの代表種は、ヤマトヌマエビとミナミヌマエビです。

改良シュリンプは、コケ取りのエビとしては期待できません。

改良シュリンプもコケをついばんで食べるのですが、コケが無くなるほどは食べてくれません。

コケ取り能力1番のエビは、ヤマトヌマエビです。

ミナミヌマエビは、コケ取りの馬力がヤマトヌマエビのようには無いので、匹数でコケに対抗することになります。

エビは何を掃除してくれる?

エビは、アオミドロのような糸状のコケを食べてくれます。

エビは、プレコが食べてくれるようなコケも食べるのですが、コケが無くなるほど食べるかというと難しいところがあります。

コケの量とエビの匹数のバランス次第になります。

そして、エビも水底に沈んだ餌も食べてくれます。

エビは雑食性なので、餌が無ければエビや魚のフンも食べて分解に一役買っているので、この点も大きなメリットです。

エビはフンが少ないから大丈夫?

いえいえ、実はエビも結構な量のフンをします。

改良シュリンプを専用に飼育して、繁殖させているような水槽だと大量のエビがいるのでよくわかるのですが、フンの量もすごいです。

しかし、貝もそうですが食性なども関係していて、エビのフンは水を汚しにくい面があります。

甲殻類は淡水でも海水でも、死骸などの分解者の一員なので、自らのフンも再分解していると思われることからも、なおさら水を汚しにくい生物なのです。

エビは混泳ってどうなの?

結論から言うと、エビは混泳させにくい面が強いです。

理由の1つは、エビは魚にとっては美味しい餌なので、魚からの攻撃を受けやすいのです。

もう一つの理由は、エビの適正水温の低さです。

エビは、27℃から上はいつ死んでもおかしくない水温になるので、熱帯魚との混泳や、夏場の環境では飼いにくい面があるのです。

その点、ヤマトヌマエビは体格があるぶん、魚からの捕食対象になりにくいですし、丈夫さも他のエビよりはあるので、適温外の環境にも耐久度があります。

ミナミヌマエビの良い点は、繁殖させて増やしやすいところです。

ヤマトヌマエビは、繁殖させるには難易度が高過ぎて、挑戦もする気にならないくらいです。

エビは混泳させにくいものの、捕食対象になるような関係の魚でなければ、普通にコケ取りやタンクメイトとして混泳されているので、心配しなくても大丈夫です。

結局どれが掃除に向いているのか?

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大きなセルフィンプレコの群れと金魚の混泳の様子:アクアショップZERO

何を重視するかで、選ぶのがプレコなのかコリドラスなのかエビなのか決まってきますが、あえて掃除屋ナンバーワン決めてというのであれば、ズバリ!プレコです!

1番のおすすめはプレコで、セルフィンプレコやオレンジスポットセルフィンプレコ。

2番のおすすめはエビで、ヤマトヌマエビ。

最後にコリドラスです。

やはり、コリドラスは餌しか食べてくれないので、掃除屋としては私は考えていません。

セルフィンプレコとヤマトヌマエビの優秀さは断トツです。

とりあえす、この2種を水槽に入れておけば、コリドラスの役目も補ってくれるでしょう。

プレコのコケ取り能力がイマイチという記事があったなら、それは間違っているので鵜呑みにしないよう気をつけてください。

プレコのコケ取り能力は断トツで1番です。

突出して1番です。

ただし、安価なコケ取りプレコに限られるので、その他の安価ではない観賞用のプレコと間違えないでください。

プレコが全てコケ取りに向いているわけではないので。

飼育環境によって掃除屋さんを選択する

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オレンジスポットセルフィンプレコ:アクアショップZERO

結論は、断トツでコケ取りプレコがおすすめと説明しましたが、プレコとエビは外せません。

ベアタンク飼育であれば、プレコのみで完全に大丈夫です。

コケ取りプレコは、安価で最大サイズが大きいというのが特徴ですが、大きくしないよう飼い続けるのも飼育技術です。

コツとしては、プレコはいないものだと思って水槽管理してください。

メインの魚にだけ餌を与える感覚で飼えば、プレコが大きくなりにくいです。

ただし、入荷当初の小さいプレコは餓死しやすいので、その時期だけはむしろ餓死に注意して、餌が行き渡るよう与えてください。

コケに対しては他にも色々な方法で対抗できるので、知識を身につけ、製品を駆使してコケの悩みを解消するのも方法ですね。

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