観賞魚愛好者必見!「グリーンテラー」の飼育・繁殖・設備・混泳・病気完全ガイド

ディスカスとの混泳

セッション1: グリーンテラーの基本情報

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グリーンテラーの雄個体:アクアショップZERO

1.1 学名と由来

グリーンテラー(Green Terror)の学名は「Andinoacara rivulatus」です。

この学名は、彼らが生息する南アメリカのアマゾン川流域を含むアンデス山脈周辺に由来しています。

1.2 外見と特徴

グリーンテラーは美しい緑色の体色が特徴で、その名の通りテラー(恐怖)を感じさせるほどの迫力ある外見になる雄もいます。

全長は10~15㎝くらいです。

以下は主な特徴です。

  • 体色: 鮮やかな緑色が全体に広がり、頭部から尾ビレにかけて黒い斑点や縞が入ります。
  • 形状: 体は側扁していて、ヒレも雌より長く伸長し、頭のコブも出気味になります。
  • 性差: 雄は通常、雌よりも大きくなり、より派手な色合いを持つことが一般的です。

1.3 分布地域と生息環境

グリーンテラーは主に南アメリカのアマゾン川流域やペルー、エクアドルなどのアンデス山脈周辺で見られます。

天然の生息環境では、岩や木の隙間、水草の中などで生息し、縄張り意識が強いことで知られています。

1.4 飼育上の注意点

グリーンテラーは成長すると一定のスペースが必要なため、広めの水槽が適していますが、ブリード個体であれば体が大きくなりにくかったりするので、小さめの水槽でも飼育可能です。

また、水質管理や適切な餌、隠れ家の提供も良いです。

積極的で攻撃的な性格があり、他の魚との混泳には慎重さが必要です。

これらの特徴を理解し、適切な飼育環境を整えることで、グリーンテラーを健康かつ美しい姿で飼育することができます。

セッション2: グリーンテラーの飼育ガイド

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グリーンテラーの雄個体:アクアショップZERO

2.1 水槽と環境

グリーンテラーの快適な飼育には適切な水槽と環境の整備が不可欠です。

  • 水槽サイズ: グリーンテラーは仮に最大サイズくらいまで成長した場合、意外と大きくなるので、最低でも60㎝規格水槽(約60ℓ)がおすすめです。
  • 水質管理: 定期的な水質検査とフィルターの使用により、安定した水質を維持しましょう。特に硝酸塩やアンモニアなどの過剰な物質を注意深く管理しましょう。とは言っても、丈夫で飼育の簡単な部類に入る熱帯魚です。

2.2 水温と水質

グリーンテラーは熱帯魚であり、水温は常に安定していることが重要です。

一般的には摂氏25℃~28℃程度が適しています。

おすすめは、27~28℃です。

また、中性から弱酸性の水質を好みますが、特にpH値を気にしなくても大丈夫です。

最適な水質を作るために、各カルキ抜きや毒物除去剤から、目的に合ったものを選びましょう。

最強濾過バクテリアや、最強PSBなども以下のリンクから関連記事をご覧ください。

関連記事:最適な水作り(ディスカスのカルキ抜き)

2.3 適切な餌の選定

グリーンテラーは肉食性であり、高タンパク質の餌が必要です。

ドライフード、冷凍餌などを組み合わせ、バラエティ豊かな食事を提供しましょう。

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2.4 適度な隠れ家と装飾

グリーンテラーは縄張り意識が強いため、適度な隠れ家や岩、流木などを水槽内に配置し、ストレスを軽減します。

水槽のレイアウトにも工夫が求められます。

もちろん、管理重視の飼育スタイルとして、ベアタンク飼育もおすすめです。

2.5 混泳の注意点

グリーンテラーは攻撃的な性格を持つため、他の魚との混泳には注意が必要です。

グリーンテラーの口に入るような魚との混泳は絶対に避けるべきです。

グリーンテラーは、体の大きさの割に気が強いので、混泳相手はグリーンテラーより体が大きい方が上手くいきやすい傾向がありますが、同じように相手の魚の特徴も踏まえて臨機応変に考えて混泳を試しましょう。

2.6 繁殖の可能性

成長してきて大人になってくると、グリーンテラーは繁殖行動を示すようになってくることがあります。

発情したグリーンテラーは、それまでより更に気が荒くなるので注意が必要です。

ここまでの飼育ガイドラインを守ることで、グリーンテラーは健康で快適な環境で生活し、その美しい姿勢を発揮するでしょう。

次は繁殖についてです。

セッション3: グリーンテラーの繁殖ガイド

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30㎝のプラケ飼育で小さいペア、向かって左が雄、向かって右が雌:アクアショップZERO

3.1 成熟の確認

グリーンテラーの繁殖を考える際には、雄と雌が性成熟していることを確認します。

通常、雌は雄よりも小さいです。

そして、雄の方が美しくなります。

3.2 ペアリング

繁殖のためには、ペアを作ることが必要です。

幼魚から複数匹を飼育していれば自然とペアを得ることができますし、ある程度成長した個体や成魚であれば雌雄判別も可能です。

性格が攻撃的なため、十分な広さを確保するか、適切な隠れ家を提供する、又はその両方を満たす環境にしてペアリングを促進します。

3.3 繁殖行動

ペアが形成されると、グリーンテラーは繁殖行動を始めます。

普段とは違う行動をお互いにアピールしたり、産卵場所の確認や掃除のために、口でつついたりします。

雌は、輸卵管も出てきて目立つようになります。

3.4 産卵と保護

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ディスカス用の繁殖水槽にグリーンテラーのペアを入れただけで簡単に繁殖する:アクアショップZERO

雌の肛門から輸卵管が出て目立つようになれば、間もなく産卵します。

雌は、平らで堅い表面に数百個もの卵を産みます。

石のようなものだったり、テラコッタ鉢だったり、何もないベアタンクであればガラス底面に産卵したりします。

雌が卵を産んだあとに雄が放精行動をとりますが、これを雌雄交互に繰り返します。

産卵終了後は雌雄で交互に卵を保護し、卵や稚魚がいる間は攻撃的な姿勢を崩しません。

3.5 仔魚のケア

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魚の稚魚育成は生きたブラインシュリンプベビーが基本:アクアショップZERO

シクリッド類は、27~28℃で産卵すると2~3日で孵化し、そこから2~3日で自由遊泳を開始します。

このへんは、水温計にもヒーターにも誤差があるので、だいたいの水温と日数だと思ってください。

孵化した稚魚は最初は泳ぐことができず、ヨークサック(栄養袋)で育ちます。

ヨークサックを使い切ると自由遊泳が始まりますが、この時から稚魚に餌を与えましょう。

仔魚は非常に小さいため、始めは生きたブラインシュリンプベビーを与えます。

それをやりたくないかたは、冷凍のブラインシュリンプベビーや、冷凍コペポーダが次の候補になります。

最後に、生存率や成長率が生きたブラインシュリンプベビーと全然違ってきますが、パウダー状の稚魚用の餌でも育成可能です。

稚魚の成長に合わせて、冷凍赤虫やドライフードなど、徐々に大きな餌に切り替えます。

仔魚は親からの保護を受けつつ成長しますが、基本的には稚魚が餌を食べるようになれば親魚から離せますし、なんなら人工孵化をさせるのであれば産卵後に親魚から離すことも可能です。

ですが、せっかくシクリッドですから、親子が仲良く泳ぐ光景を見るために、何回か失敗しても自然繁殖に挑戦することをおすすめします。

3.6 注意点

繁殖の際には、他の魚からの保護や適切な栄養、水質管理が必要です。

基本的に、繁殖させる際はペア水槽を作らなければならないので、混泳魚がいるという環境での繁殖は難しいです。

ペアの絆を深めることが必要な場合(ペアの喧嘩やイジメが酷い場合)は、グリーンテラーよりは弱く、しかしすぐに殺されたりしない第3者となる魚を混泳させて、ペアにとって共通の敵を作ってあげることが効果的です。

グリーンテラーの繁殖は、一般的に難易度は低めで、適切な環境とケアがあれば成功するのでおすすめです。

セッション4: グリーンテラーの混泳ガイド

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30キューブ水槽でグリーンテラー3匹、ダトニオプラスワン幼魚1匹、セルフィンプレコ用魚1匹:アクアショップZERO

4.1 混泳の難しさ

グリーンテラーは攻撃的な性格を持つため、混泳には注意が必要です。

他の魚との組み合わせには慎重な選定が必要です。

シクリッドの混泳はパワーバランスをとることが全てなので、魚や水槽が複数ある状況じゃないと色々と試すことができないのですが、これができない場合は、最低でも水槽内レイアウトを複雑にすることをおすすめします。

4.2 同じ大きさの魚との混泳

基本的には、同じくらいの大きさや攻撃的な性格を持つ魚との混泳が最も適しています。

大型のシクリッドやその他攻撃的でない種類との組み合わせを検討しましょう。

それほど気が荒くない魚や大人しい魚の場合は体の大きさでバランスを取ることを考えて、グリーンテラーより大きな魚を選びましょう。

その逆で、とても気が強い魚は、グリーンテラーより小さくても混泳バランスが取れることになります。

シクリッドで混泳に重宝されるのが、パロットファイヤーです。

4.3 他のシクリッドとの混泳

先ほど挙げたパロットファイヤーのように、他のシクリッドとの混泳も可能ですが、基本的には同じく攻撃的な性格を持つ種類を選ぶ必要があります。

このへんは、気性と体の大きさを考慮して混泳魚を選びます。

この他の要因としては、大き目な水槽サイズや、複雑なレイアウトの確保も重要なポイントです。

4.4 底性魚との混泳

プレコのような底生魚は混泳が成功しやすいです。

しかし、繁殖期のグリーンテラーは攻撃的な姿勢を見せる場合があるため、底性魚にとって適切な隠れ家を提供し、飼育者の注意深い観察も必要です。

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4.5 混泳で避けるべき魚

特に小型魚や、気性の穏やかな同サイズの魚と混泳はやめておいたほうがいいです。

エビ類も混泳できません。

コリドラスは底性魚ですが、グリーンテラーの注意をひきやすいため、おすすめしません。

4.6 個体差への注意

個体ごとに攻撃性や縄張り意識に差があります。

混泳を試みる場合でも、個々の行動を注意深く観察し、異常な攻撃行動が見られる場合は適切な対処を行います。

グリーンテラーの混泳は、注意と慎重な選定が必要です。

他の魚との相性をよく理解し、適切な水槽環境を整えることで、健康かつ快適な混泳が実現できます。

セッション5: グリーンテラーの病気と予防

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グリーンテラーの雌個体:アクアショップZERO

5.1 一般的な病気

グリーンテラーは基本的に丈夫な魚ですが、他の観賞魚と同様に様々な病気にかかる可能性はあります。

例えば、シクリッドに見られやすい病気に注意が必要で、寄生虫感染などが挙げられます。

シクリッド飼育・繁殖の特性上、水温が高めなので、白点病の心配は皆無と言えますし、そもそも淡水の白点病は怖くありません。

5.2 病気の予防

病気の予防は適切な飼育環境と水質管理から始まります。

以下は予防のためのポイントです。

  • 水質管理: 定期的な水質検査と定期的な水換えを行い、安定した水質を保ちます。高品質なカルキ抜き兼酸化物や毒物除去剤の使用や、良質な濾過バクテリア剤を使うのも良い方法です。
  • 栄養バランス: 適切な栄養を提供し、バラエティ豊かな食事を与えます。冷凍餌は外せないですね。安価な餌の使用には注意。ドライフードも開封後は最低でも半年以内に使い切ることです。

5.3 一般的な症状と対処法

異常な行動や体調の変化が見られた場合、早期の対処が重要です。

  • 鰓の病気: 鰓呼吸の異常が見られる場合、適切な薬剤や塩浴で治療を行います。細菌性鰓病の場合は細菌性魚病薬を使用し、寄生虫による鰓病の場合は、それ用の魚病薬を使用する。
  • 寄生虫感染: 寄生虫感染の場合、対処には専用の薬剤が必要です。以下の関連記事を参考にしてください。

関連記事:病気治療や魚病薬についてはこちら

5.4 やむをえない場合は隔離して治療

病気治療の基本として、病気の症状が見られた場合は感染が広がらないうちに、その水槽ごと薬浴して治療します。

水槽ごと治療ができない場合は別のトリートメントタンク(薬浴専用水槽)に隔離し、病状に合った治療を施します。

また、水槽内の他の魚に感染が広がるリスクを最小限に抑えるためにも、早急な対応が必要です。

5.5 定期的な観察

日常的な観察が病気の早期発見につながります。

魚の異変に気付いたら、速やかに適切な処置を行いましょう。

魚の異変に気付くためには、普段の様子をよく観察して覚えておかないと、何が普通で何が異変なのか判断がつきません。

病気の予防と早期発見、適切な治療はグリーンテラーの健康を維持するために欠かせない要素です。

飼育者は日頃からの注意深い観察と、適切なケアを心掛けることが重要です。

まとめ

グリーンテラーは飼育・繁殖もしやすく、その美しい緑色の体と迫力ある姿勢で飼育者を魅了する観賞魚です。

しかし、その魅力を出すには、それなりのケアと理解が必要です。

適切な飼育環境の整備、繁殖行動や混泳時の注意、そして病気への予防策を押さえることで、グリーンテラーは健康で快適な状態で輝きます。

飼育者は定期的な観察と適切な対応が求められる中、この記事を頼りに、グリーンテラーに応じた飼育環境を提供することが重要です。

美しい色彩と特徴的な姿勢を最大限に引き出し、観賞魚との共生生活を豊かに楽しむために、これからも丁寧な育成管理を心がけましょう。

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