大事なのは粘膜保護剤
いきなり結論から説明してしまいますが、カルキを抜くことは当たり前すぎて、大事かどうか言うまでもないのです。
特にディスカス飼育では、換水に使用する水は「汲み置いた水(溜め水)」を使うことが大事なので、カルキは自然と抜けてしまうのです。
ただし、汲み置いておく時間が無い場合に換水をしたい場合は、やはりカルキ抜きが必要なので、カルキ抜きか観賞魚用浄水器は持っておくようにしましょう。
そして1番大事なのは、粘膜保護剤です。
粘膜保護剤の効果
粘膜保護剤には、以下のような効果があると説明されています。
・魚のエラや粘膜を保護する
・重金属(銅・亜鉛・鉛・カドミウムなど)を無害化する
多くの粘膜保護剤は上記のような効果がありますが、粘膜を保護する結果、水質ショックを和らげてくれる効果があるのです。
これはどういうことかというと、例えばわかり易いのは小型魚です。
水槽の水を捨てながら、観賞魚用浄水器を通した新しい水を水槽に注水するという方法で換水をしていると、大量水換えが短時間でできます。
しかしこの方法では、汲み置いた水を使っていないことになるので、注水される新しい水によって短時間で二酸化炭素もどんどん注入されることになり、小型魚は換水しているそばから苦しがるようになって死んでいくことになります。
この苦しがってマズイ状態になった時に粘膜保護剤を入れると、小型魚がなんとか持ちこたえてくれるくらい、粘膜保護剤には効果があるんです。
もちろん、このような状況になると生きるか死ぬかの瀬戸際なので、汲み置いてない水で換水する場合は大量換水はやめて、早い段階で粘膜保護剤を使って安全を確保するようにしましょう。
粘膜保護剤は万能ではない
一部SNSなどで、「魚の調子がおかしい時は粘膜保護剤を入れれば良い」というような情報が流れているのを見かけたことがありますが、それは間違いです。
魚の調子がおかしくなった原因にあった対処が必要です。
粘膜保護剤を使用する場面というのは、水質ショックをなるべく与えたくない時です。
それは換水の時だったり、魚の水槽間移動の時だったりです。
1つ注意なのは、薬浴時は粘膜保護剤を使用しない方が無難だということです。
これは、魚病薬の効果が少々抑えられてしまうということからですが、個人的には気にするほどではないとも思っています。
各カルキ抜きの特徴
ここからは、各メーカーのカルキ抜きの特徴を、私なりの見解でお話します。
参考にしてください。
セラ アクアチューナー
これは、私一押しのスーパー水質調整剤です。
簡単に言うと、飼育水の有害物質を無害化する即効性水質調整剤です。
カルキ(塩素)は勿論、重金属・塩素化合物のクロラミン・アンモニア・亜硝酸塩・魚病薬であるメチレンブルーやマラカイトグリーン・過マンガン酸カリウムも除去できます。
結果的に硝酸塩の生産量も抑えることになるため、換水をカバーしてくれる(換水量や頻度の低減化が可能になる)ことになります。
水質悪化を抑えることができるので、コケが発生しにくくなることにもつながります。
淡水は勿論、海水にも使用できますが、海水使用の場合、珊瑚やイソギンチャクなどの無脊椎動物がいる水槽では使用しないよう注意してください。
水草が入っていない水槽であれば、有害物質濃度が著しく高い場合、規定量の5倍まで使用可能です。
ただし、葉が柔らかい水草の中にはアクアチューナーに耐えられないものもあるということで、ここも注意が必要ですね。
使用量は、水20Lに対して4ml(10Lに対して2ml)です。
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テトラ アクアセイフ
こちらも一押し、粘膜保護剤といえばコレ、アクアセイフ!
天然植物エキスによる強力保護コロイドで、ディスカスの体表粘膜やエラを守ります。
カルキ抜きもプラスされているため、水道水に含まれるカルキ(塩素)・クロラミン・重金属(亜鉛・鉛・カドミウム・銅)を無害化します。
不足しがちなミネラルやビタミンを補充し、ビタミンB群がストレスを軽減する水に調整してくれます。
淡水・海水の両方に使用可能。
使用量は、水10Lに対して5mlです。
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意味は確実にある!
ちょっとここで話を挟まさせてもらいますが、ここまで一押しとして紹介した水質調整剤は、確実に効果があります!
昔、雑誌などに少し取り上げられて有名になった個人のサイトなどでは「むしろ必要ない」というニュアンスで水質調整剤のことが説明されていたりもしますが、はっきり言って間違っています。
違いのわかり易い魚種に使用したほうが、効果がわかり易いのですが、その1つがまさしくディスカスです。
使用した方が発色も違ってきますし、発情のし易さも違ってきます。
素人の方が「バクテリアなんて意味ないよ」といっているのと同じで、確実に意味も効果もあります。
濾過バクテリアも、使い続けている人の水槽は確実にトラブルが少ないですからね。
何故かというのは簡単な話で、同じ濾過バクテリアを定期的に補充し続けているわけですから、バクテリアによる勢力バランスが変化しにくく、安定しているからです。
大事なのは、どの商品も同じではないということで、良い濾過バクテリア商品を選ぶのがポイントです。
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そしてちなみに、これらバクテリア商品と同時にPSBも使うと、相乗効果が生まれるのでおすすめです。
もちろん市販品のPSBでかまわないのですが、当店オリジナル超特濃高級PSBは培養も可能なので、その点でもおすすめです。
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ウォーターエンジニアリング リバースリキッド・フレッシュ
これも超一押し商品、リバースリキッド フレッシュです。
カルキの除去は勿論のこと、イオン吸着力によって、水槽内に絶えず蓄積する酸化物(硫酸・リン酸・ケイ酸・硫化物など)を総合的に除去してくれます。
その結果、本当に飼育水のpHが低下しにくくなりますし、コケも生えにくくなります。
アクアチューナーと同様、水換え回数を減らすこともできるようになるスーパー水質調整剤ですね。
使用量は、カルキ抜きとしてなら、水道水10Lに対して5mlです。
酸化物除去としてなら、飼育水10Lに対して毎週2mlです。
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セラ アクタン
こちら、アクタンもおすすめの水質調整剤です。
内容量500mlのアクタンは、中身の液体が透明に変更されました。
カルキ(塩素)の除去・重金属の無害化• 体表粘膜やエラを保護• pH値に影響を与えない• ヨウ素による活力を増進で体色を色鮮やかに• マグネシウムが酵素を活性化させ、魚を健全に成長させる• ビタミンBがストレスを軽減し、神経系を強化する、といった今までの効果に更に新しくプラスして、カルシウムなどのミネラル成分も添加・クロラミンを除去する・アンモニアを軽減する、などの効果もあります。
イソギンチャクやサンゴなどの無脊椎動物にも使えるということで、海水水槽にもOKですが、強力なプロテインスキマーを使っている場合は、プロテインスキマーの電源を切ってから投与し、再び稼働させるのは24時間後からにしてください。
使用量は、水10Lに対して2.5mlです。
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テトラ パーフェクトウォーター
アクアセイフが粘膜保護に特化したものだとすれば、こちらはカルキ抜きと粘膜保護剤がバランス良く合わさったもので、アクアセイフにあるような飼育水への青っぽい色付きや、独特な匂いなどもありませんので、万人が使いやすいオールインワンタイプのカルキ抜きです。
使用量も、アクアセイフと比べると少なくて済むのも良いポイントです。
アクアセイフのように、入れ過ぎても酸性に傾く心配もないのも良いポイントです。
水道水に含まれるカルキ(塩素)を中和し、重金属やクロラミンを無害化し、体表粘膜やエラを保護する水に調整してくれます。
淡水・海水の両方に使用可能。
使用量は、水10Lに対して2mlです。
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エーハイム 4in1(フォーインワン)
エーハイムといえば外部式フィルターのメーカーですね。
こちらは、カルキを中和・体表粘膜とエラを保護・重金属を無害化・白濁の原因物質を除去・というように、4つの効果がセールスポイントの水質調整剤です。
白濁除去効果については、個人的には感じる機会が今まで無いので、わかりません。
1つ注意なのは、カルキ抜きとしては珍しく「使用量を守ってお使いください」と、商品の表面に赤字で注意書きがあります。
おそらくですが、白濁除去成分が原因なのではないかと思います。
白濁除去商品には、高確率で注意書きがあるので。
あるいは、商品としての成分が濃いのかもしれません。
あと他に注意なのが、4in1は淡水専用なので海水には使用できません。
個人的にセールスポイントと思うのは、他のカルキ抜き(水質調整剤)に比べてお買い得なことです。
使用量は、水10Lに対して2mlです。
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テトラ コントラコロライン
コントラコロラインは、カルキ(塩素)やクロラミンを速やかに中和して無害化します。
ミネラル(ヨウ素化合物)も含まれているので、水道水を自然環境水に近づけ、魚の活力を促す水に調整します。
しかし、パーフェクトウォーターやアクアセイフ等があるのに、粘膜保護機能の無いコントラコロラインを選択する余地があるのかと、疑問に思いませんか?
実はあるんです。
それは、魚の病気を治療する際の薬浴をする時です。
粘膜保護剤が魚病薬の薬効を邪魔する面もあるため、薬浴時のカルキ抜きはシンプルなコントラコロラインが向いているのです。
使用量は、水10Lに対して2mlです。
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水質調整剤は偉大
「汲み置いた溜め水を使用すれば水質調整剤なんかいらないよ」という意見もありますが、説明書に従った使用法をすれば、水質調整剤はとても大きな助けになるのです。
説明書に無いような、規定量以上(倍量)の使用などしないよう注意すれば、メリットしかないようなものです。
是非この記事を参考にして、水質調整剤をフル活用してください。
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