パラクロミス・マナグエンシスの飼育・繁殖・飼育環境・気をつける病気・混泳について

ディスカスとの混泳

はじめに

アクアショップZERO

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パラクロミス・マナグエンシス(学名:Parachromis managuensis)は、金色と黒色の美しい体色と大きなサイズで知られるシクリッドの一種です。

この魚は熱帯魚愛好者の間で人気があり、適切な飼育環境と注意深い管理が必要です。

以下に、パラクロミス・マナグエンシスの飼育、繁殖、飼育環境、気をつけるべき病気、および混泳について詳しく解説します。

1. 飼育

1.1 水槽の設定

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当店アクアショップZERO産のパラクロミス・マナグエンシスの幼魚:アクアショップZERO

パラクロミス・マナグエンシスは大型のシクリッドであるため、十分な水槽サイズが必要です。

最低でも100リットル以上の水槽が望ましいです。

水槽には隠れる場所や浮き草を提供し、魚がストレスを感じずに過ごせるようにします。

もっと大型水槽であれば、なお良いですね。

 

 

1.2 水質管理

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当店アクアショップZERO産のパラクロミス・マナグエンシスの幼魚:アクアショップZERO

定期的な水質検査と水替えが不可欠です。

パラクロミス・マナグエンシスは清澄で温かい水を好みます。

水温は26〜30℃、pHは6.5〜7.5が理想的です。

私は28℃での飼育管理をおすすめします。

最適な水質を作るために、各カルキ抜きや毒物除去剤から、目的に合ったものを選びましょう。

最強濾過バクテリアや、最強PSBなども以下のリンクから関連記事をご覧ください。

関連記事:最適な水作り(ディスカスのカルキ抜き)

1.3 餌

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この種は肉食性であり、生餌や冷凍餌を与えると良いでしょう。

ですが、栄養価の高いドライフードでも問題なく飼育できます。

大型で力強い顎を持っているため、適切な大きさの餌を提供します。

 

 

2. 繁殖

2.1 ペアリング

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底砂少々、石と流木のレイアウト水槽でパラクロミス・マナグエンシスのペアが石の上に産卵・放精行動をとっている様子:アクアショップZERO

ペアリングを促進するために、数匹を同じ水槽で育て、性別がわかるまで待ちます。

適切なペアリングが成立したら、他の魚を別の水槽に移動させます。

しかし、飼育者も慣れると、成魚になった個体であれば雌雄判別がつくようになります。

大雑把に説明すると、雄は黒い細かい模様がヒレも含めて全身に目立ちますが、雌は全体的に地色の金色が目立ち、黒色模様は体側の大きめの模様だけが目立つ程度です。

これに加え、さらに成長した個体では雄の方が大きくなるので、パッと見ただけで判別がつくようになります。

2.2 産卵と孵化

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ベアタンクで石の上にパラクロミス・マナグエンシスのペアが産卵・放精行動をとっている様子:アクアショップZERO

パラクロミス・マナグエンシスは、底砂がある場合は底に穴を掘り、その中で卵を産みます。

ベアタンク飼育(底砂を敷かない飼育法)の場合は、水槽のガラス底面に産卵します。

大きめの平らな石などを配置しておくと、その石に産卵してくれたりもします。

 

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孵化から数日して自由遊泳を始めたパラクロミス・マナグエンシスの稚魚が生きたブラインシュリンプベビーを食べてお腹がオレンジ色になっている様子:アクアショップZERO

孵化後は、仔魚に生きたブラインシュリンプベビーを与えます。

冷凍ベビーブラインシュリンプや、ベビーフード(粉餌)でも育成できますが、生存率や成長具合が劣るので、稚魚のベストな初期飼料は生きたブラインシュリンプベビーです。

稚魚の成長に伴い、冷凍ミジンコや冷凍赤虫、冷凍ディスカスハンバーグ、ドライフードなどでも育成できるようになっていきます。

稚魚期から、どれだけ栄養をとることができるかで将来が決まるので、最初が肝心と言えます。

赤ちゃんを育てるのは手間がかかるのは、魚も同じということですね。

3. 飼育環境

3.1 装飾と隠れ家

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生きたブラインシュリンプベビーを食べているパラクロミス・マナグエンシスの稚魚を親魚が見守っている様子:アクアショップZERO

岩や流木を用いて水槽内をレイアウトし、魚たちが隠れ家を多めにしてあげることで、魚のストレス軽減につながります。

ですが、これにはデメリットもあって、水槽内が複雑になるほど掃除がしにくくなるので、掃除不足が続く結果、水質悪化につながるリスクもあるのです。

水槽内掃除を簡単にするには、管理重視のやり方としてベアタンク飼育法をとります。

3.2 フィルターとエアレーション

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パラクロミス・マナグエンシスの稚魚を見守る雌の親魚:アクアショップZERO

強力なフィルターシステムとエアレーションを確保して水質を維持します。

特に、この魚のように中・大型魚は水を汚しやすいため、十分なパワーのあるフィルターやエアーポンプを使いましょう。

ただし繁殖の際は、メインフィルターを止めてスポンジフィルターのみで管理するか、最低でも稚魚が自由遊泳を始めるまえにはスポンジフィルターのみの管理に切り替えましょう。

稚魚はまだ赤ちゃんですから泳ぐのが大変です。

強いエアレーションでは強い水流ができてしましますし、強いフィルターでも同じことが起き、吸水口にも稚魚が吸い込まれる事故が起こります。

たとえフィルター吸い込み口にスポンジを付けて、稚魚の吸い込み防止をしても、稚魚の餌は吸い込まれて無駄が多く出てしまいます。

そのような観点から、メインのフィルターにプラスして、初めからスポンジフィルターも併用して機能させておきましょう。

 

 

4. 気をつける病気

4.1 寄生虫感染

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ショートボディのパラクロミス・マナグエンシス:アクアショップZERO

他の魚と同様に、パラクロミス・マナグエンシスも寄生虫感染のリスクがあります。

異常な行動や食欲不振が見られた場合は、早めにプロショップに相談するようにしましょう。

魚病薬や病気治療については下記の関連記事をご覧ください。

関連記事:魚の病気と魚病薬(ディスカスの病気)

ちなみに写真のマナグエンシスは病気の個体ではなく、セミショート個体やショート個体などの改良品種です。

5. 混泳について

5.1 同じサイズの仲間との混泳

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混泳水槽の様子、手前が雄、奥が雌のパラクロミス・マナグエンシス:アクアショップZERO

パラクロミス・マナグエンシスは攻撃的な傾向があり、同じサイズの仲間や他の中・大型魚と混泳させることが適しています。

小型魚や穏やかな性格の魚との混泳は避けるべきです。

気の強い魚種や、シクリッドを上手く複数匹飼ったり混泳させるには、パワーバランスを取ることが全てです。

パワーバランスを取るには、過密飼育・超過密飼育をすることが確実は方法です。

過密飼育をする場合に気をつけるのは、水質管理です。

個体数が多いため、水質が悪化しやすい環境ですから、水換えにも力をいれないといけません。

水質測定を怠らなければ、水換えの適時がわかるため、なるべく効率良い水換えをしたければ、水質測定を欠かさないようにしましょう。

 

 

まとめ

以上が、パラクロミス・マナグエンシスの飼育、繁殖、飼育環境、気をつけるべき病気、混泳に関する詳細なガイドラインです。

これらのポイントに気をつけることで、より良い環境でこの美しい魚を健康に飼育できるでしょう。

シクリッドは熱帯魚の中でも、特に面白くて魅力的な魚種です。

ぜひ、シクリッドの世界へ足を踏み入れてください。

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