アクアリウム愛好者の間で人気を博しているのが、本ダトニオとダトニオプラスワンです。これらの魚はその美しい模様や迫力ある姿勢によって、水槽を魅力的なものに変えます。
この記事では、本ダトニオとダトニオプラスワンの産地、特徴、飼育方法、混泳について詳しく探っていきましょう。
これらの種を理解し、適切な環境で育てることで、アクアリウムに独自の美と生命力を加えることができます。
それでは、魅力あふれる水中の王者たちに迫ってみましょう。
本ダトニオ
- 学名: Datnioides pulcher
- 一般名: 本ダトニオ、
産地
本ダトニオ(Datnioides pulcher)は、主にタイ、ベトナム、マレーシア、カンボジア、およびインドネシアの淡水域や河川で見られます。
輸入されていたときはベトナム産が多かったですが、たまに輸入されていたタイ産の本ダトニオは、シャムタイガーと呼ばれ希少性があります。
特徴
- 体長は最大で50cm以上に達し、成体は非常に大きくなります。
- バンドの数は6本で、目のバンドは数に含みません。
- 鮮やかな縞模様が特徴で、成熟するにつれてその美しさが増します。
- 頭部が大きく、顎に力強い咬合力があります。
飼育方法と飼育環境
水質
- 温暖な水温が適しており、24〜30℃が理想的です。
- 強力なフィルターシステムを導入し、水質を清潔に保つことが大切です。
- 低pHになると目の白濁を起こしたりするので、水換えを怠らないように注意しましょう。
水槽
- 大型で強健な体を持つため、最低でも90規格(158ℓ)以上の水槽が必要です。
- 水槽内には十分なスペースを提供するなり、隠れ家などを設置して自然な環境を再現しするのも方法です。
病気と予防
- 定期的な水質検査と注意深い観察が必要です。
- 予防的な医療対策として、定期的な水槽の清掃と健康な食事を提供することが重要です。
ダトニオプラスワン
- 学名: Datnioides microlepis
- 一般名: ダトニオプラスワン
産地
ダトニオプラスワンは、主にマレーシア、タイ、ボルネオ島などの淡水域で見られます。
特徴
- 体長は最大で40cm以上に達し、バンドの数は7本であることが特徴です。
- バンドの数が6本の個体もいて、それはリアルバンド個体と呼ばれます。
- 細長い体型と大きな口を持ち、その迫力ある姿が魅力です。
飼育方法と飼育環境
水質
- 温暖で安定した水温が必要で、26〜30℃が適しています。
- 強力なフィルターシステムを使用し、水質管理を徹底します。
- 低pHになりにくくするために、高性能なカルキ抜きや、嫌気性バクテリアによる脱窒の利用、カキガラやサンゴ砂によるpH低下防止なども方法です。
水槽
- 大型の水槽が必要で、最低でも90規格(158ℓ)以上が推奨されます。
- 広いスペースの提供が基本ですが、大きな隠れ家や岩を配置して、自然な環境を模倣しするのも良いです。
病気と予防
- 定期的な水質検査と注意深い観察が必要です。
- 予防的な医療対策として、隔離病棟を用意しておくことが重要です。
両者は同じようなもの
これまで本ダトニオとダトニオプラスワンで、書いている説明が同じだと感じたかもしれませんが、本ダトニオもダトニオプラスワンもバンドの数以外では同じようなもので、ダトニオプラスワンのリアルバンドにいたっては本ダトニオとの区別がつかないくらいです。
両者とも共通して、エンゼルフィッシュのように縦に扁平で、尖った顔を持ちます。
成長が遅く、水槽内での飼育では約30cm程度で止まることも多く、そのサイズになるまでに数年かかります。
成長するにつれて攻撃性が増していき、同種間では激しい喧嘩をします。
しかし、他種に対しては無関心なケースもあり、アロワナなどとの混泳も可能です 。
アジアアロワナとダトニオの混泳は「竜虎水槽」と呼ばれたりもします。
混泳
ダトニオのベビーや幼魚などを飼育するときは、なるべく小さな時から同じような大きさの魚と混泳させることをおすすめします。
そのように混泳させることで、ドライフードにも餌付けができるからです。
何でも食べるようになったダトニオは大きくなりやすくなるため、発色も良くなりやすく、健康に育成できることにつながります。
ただし、混泳については注意が必要です。
ダトニオは肉食性が強く、口に入るサイズの小魚やエビなどを食べてしまうため、それらとの混泳は避けましょう。
また、ヒレが長い魚もヒレをかじられる恐れがあるため、混泳はおすすめできません。
ダトニオ・プラスワン同士の混泳は幼魚の間は複数匹での飼育が可能ですが、成魚になると同種間で激しく争うため単独飼育にするか、逆に過密飼育にするかがおすすめです。
病気にはかかりにくいですが、成魚になった頃に気が付くのが目の異常で、薄っすらと白濁していたり、目の水晶体がずれたりしているような症状が見られるケースがあります。
これはおそらく水質的な原因や、ぶつかったりなどの外的なショックが原因ではないかと思われるので、それが起こりにくいよう水質管理や遊泳スペースの確保に気を配りましょう。
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最後に
もはや本ダトニオが幻の魚となり、今はダトニオプラスワンしか流通していないようなものですが、価格は年々高騰しています。
流通するサイズも、最小では小指の爪サイズから出回るようになり、その小ささだと餌付けは生きたブラインシュリンプベビーや生きたイトメからになります。
私個人的にはダトニオ飼育は得意なため、難しい魚ではないと感じていますが、一般のかたの水槽では黒化しやすいめんもあって美しい体色で飼えなかったり、隠れがちになって観察しにくいなど起こりがちです。
このダトニオを美しく健康に大きく育成することができた時には、飼育者にとても大きな満足感を与える、迫力ある魚になってくれます。
その頂を目指して、ダトニオワールドに足を踏み入れてみてください。
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